こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近は、名古屋・春日井を中心に「AIを使った業務効率化」の相談も増えてきて、
StripeやGoogleフォームを使った入会フローの話題もよく出るようになってきました。
Room8では、Googleフォームで入会申請を受け付け、
スプレッドシートを経由してStripe APIでサブスクリプション登録までを自動化しています。
これだけでも、かなりの作業が省力化できているのですが、
実はここからが“本当の自動化”のスタート地点だったりします。
たとえば…
- 初回支払い後も、毎回お客さんがメールから手動で支払う必要がある
- クレジットカードの残高不足で決済が失敗していたのに、気づかない
- いつの間にかサブスクがキャンセルされていて、売上も信頼も損なっていた
こんなこと、起きていませんか?
僕自身、実際にRoom8の運営で経験してきたリアルな問題です。
そしてそれらの“気づきにくい落とし穴”を防ぐ鍵になるのが、
「Webhook(ウェブフック)」という仕組みなんです。
今回は、Room8でWebhookを導入した理由と、
「Webhookがあることでどんな課題が解決できるのか?」について、
実例ベースでお話ししていきます。
Webhookを導入した理由:Room8で実際に起きた2つの課題

Room8では、入会手続きを以下のような流れで運用しています。
- Googleフォームで入会申請を受付
- スプレッドシートに回答を保存
- Stripe APIで顧客作成+入会金の単発請求
- 入会金の支払いが完了したら、同じカードでサブスクリプションを作成
※現在は「初月会費無料キャンペーン中」のため、サブスクは翌月1日スタートに設定しています。
この仕組みによって、入会処理の多くは自動化できるようになりましたが、
実際に手動で運用していた頃から含めて、Webhookを導入すべきだと考える理由が2つありました。
① 決済失敗・キャンセルに気づかない問題(手動時代からの課題)
これは、手動で運用していた頃からずっと意識していた問題です。
Stripeでは、カードの有効期限切れや残高不足などで決済が失敗すると、
自動で数回リトライしてくれるのですが、それでも支払いが完了しないと、
サブスクリプションは自動的にキャンセルされてしまいます。
ただ、このキャンセルや失敗は、Stripeの管理画面を開かない限り気づけません。
そして、ある日ふと確認すると…
「あれ、この人、5ヶ月分支払ってない…?」
という状態になっていて、慌てて請求と説明をしなければいけないこともありました。
これは、お互いにとって望ましい状況ではありません。
- お客さん:「えっ、いきなり◯万円の請求ですか…?」
- 運営側:「今さらどうやって督促しよう…」
心理的にも事務的にも負担が大きい。
だからこそ、決済の失敗やキャンセルをリアルタイムで検知する仕組みが必要でした。
② カード登録の検知 → サブスクを自動課金に切り替える問題(自動化時の課題)
手動で入会処理をしていた頃は、
入会金の支払いが完了したのを確認してから、
そのカード情報を使ってサブスクリプションを作成する流れでした。
しかしAPIで自動化を進めると、話が少し変わります。
現在のRoom8では、Googleフォームに入力があった時点で、
- 顧客の作成
- 入会金の請求(単発)
- サブスクリプションの作成(開始日は翌月1日)
という一連の処理を自動で実行しています。
ここで問題になるのが、サブスクリプションを作成する時点では、まだカード情報が登録されていないということです。
そのため、Stripe側では「毎月の支払いをメールで請求する“手動支払いモード”」としてサブスクが作成されます。
このまま放置していると、2回目以降の請求もずっと「請求メール → 手動支払い」となってしまい、
お客さんにとっても、運営側にとっても手間がかかります。
🔧 Webhookを使えば、手動チェックが不要に
この問題を解決するためには、
- 「入会金の支払いが完了したか?」
- 「そのタイミングでカードが登録されたか?」
を検知しなければなりません。
Webhookを使えば、Stripeから invoice.paid
や payment_method.attached
といったイベントを受け取り、
「カード登録が確認できたタイミング」で、サブスクリプションの支払いモードを自動課金に切り替える処理を走らせることができます。
これにより、
- お客様は2回目以降、毎月自動でカード決済される
- 管理者も、日々の入金チェックや手動での設定変更が不要になる
という、よりスムーズでトラブルの少ない運用が実現できました。
実はこんなこともWebhookでできるんです

Room8では、Webhookを使って主に
- 決済失敗やキャンセルに気づける仕組み
- カード登録を検知してサブスクの支払い方法を切り替える処理
この2点を自動化していますが、Webhookはこの他にもいろんな場面で活用できます。
たとえば、こんなことができます:
🔹 決済完了時に「ご入金ありがとうございます」メールを自動送信
invoice.paid
をトリガーに、GAS+Gmailでサンクスメールを自動送信。
毎月のルーティン業務が1つ減るだけでも、かなりの時短になります。
🔹 支払い履歴をスプレッドシートに自動記録
決済イベントを使って、顧客名・金額・日時をGoogleスプレッドシートに追加。
freeeなどの会計ソフトと連携する時の補助データにも使えます。
🔹 Slack通知でチーム内に共有
支払い成功・失敗・キャンセルなどをリアルタイムでSlackに通知。
小規模チームでも情報共有がスムーズになり、「誰かが見落としてた…」を防げます。
🔹 無料トライアル終了のリマインドメール
customer.subscription.trial_will_end
を使えば、
「無料期間があと3日で終わります」といったリマインドメールを自動送信することも可能。
キャンセル率の低下や、トラブル防止につながります。
🔹 未払いユーザーの一覧を自動で作成
invoice.payment_failed
をキャッチして、未払いリストを自動で更新。
週に1回、リマインドメールを送るような運用にもつなげられます。
🔹 サブスクがキャンセルされたら、自動でアクセス権を停止
customer.subscription.deleted
をトリガーに、
会員専用ページやサービスの利用権限を自動で停止するなど、運営面でのセキュリティにも活用できます。
Webhookは「通知を受け取るだけの仕組み」に見えて、
業務の見落とし・やり忘れ・属人化を防ぐ自動化の起点になる存在です。
やろうと思えば、
帳簿処理・メール・会員管理・チャット通知など、
いろんなツールと連携して「事務作業の見えない手」をつくることができます。
次回は、このWebhookをどのように設定し、実際にどんなコードで処理しているかを
詳しく紹介していきます。
🔗 無料noteでは、Webhookの基礎と、Room8で実際に使っている通知処理を解説しています!
👉 Webhookの第一歩とつまずきポイント(note)
まとめ:Webhookは「気づいて動く仕組み」を作るカギ

今回は、Room8で実際に運用しているStripeの自動化の中から、Webhookを使って解決した2つの課題をご紹介しました。
決済失敗やキャンセルに気づかず、気まずい督促が発生してしまう問題。
そして、カード登録が完了しているのに、毎月手動で支払ってもらうことになる問題。
Webhookを使えば、こうした「誰かが気づかなきゃ動かない」という処理を、“システムが自動で気づいて動く”仕組みに変えることができます。
実はこのWebhook、ちょっと難しそうに聞こえますが、やっていることはとてもシンプルで、「○○が起きたら、××してね」とシステムに伝えるだけ。
言い換えるなら、Webhookは“きっかけセンサー”みたいなものです。
Room8ではStripeとの連携で活用していますが、考え方を応用すれば、
- 入金時にメールを飛ばす
- 未払いリストを自動更新する
- トライアル終了をリマインドする
- チームにSlack通知を出す
- 会員制サイトのアクセス権を更新する
- 会計ソフトの仕訳処理を補助する
など、業務の中にある「気づき→対応」をまるごと自動化することができます。
Webhookを使ったからといって、いきなり全てが全自動になるわけではありません。
でも、Webhookがなければ「いつ処理を動かすか」がわからない。
つまり、本当の意味での自動化を成立させるための“トリガー”として、Webhookはとても重要な役割を持っています。
Webhookに限らず、こうした自動化の考え方やAI活用のヒントなどは、Room8のnoteでも実例を交えて紹介しています。
🔗 他の自動化アイデアや裏話も公開中
👉 https://note.com/room8inc
「あ、これ自分でもできそうかも」って思えるきっかけになれば嬉しいです。