こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
「プレゼンの構成は分かったけど、実際にどう使えばいいんだろう…」 「PREP法って聞いたことはあるけど、ビジネスでの使い方がイマイチ分からない…」
そんな声をよく耳にします。実は僕も起業した当初、同じような悩みを抱えていました。確かにPREP法は分かりやすい構成なのですが、ビジネスシーンでの実践となると一筋縄ではいきませんよね。
前回の記事では「プレゼン資料の基本的な構成パターン」について解説しましたが、今回は特にPREP法に焦点を当てて、起業家や個人事業主の皆さんが実際のビジネスシーンで使える実践的な方法をご紹介します。
PREP法の素晴らしいところは、シンプルな構造でありながら、様々なビジネスシーンで応用できる点です。新規事業の提案、価格改定の説明、協業の提案など、説得力が必要なあらゆる場面で威力を発揮します。
この記事では、実際のビジネスシーンに即した具体例をたくさん交えながら、PREP法の効果的な使い方をお伝えしていきます。最後まで読んでいただければ、明日からのプレゼンやビジネス提案で、すぐに活用できるノウハウが身につくはずです。
それでは、まずはPREP法の基本構造から確認していきましょう。
PREP法の基本構造を確認しよう
多くのビジネスパーソンが知っているPREP法ですが、実は「知っているつもり」になっていることが少なくありません。効果的に活用するために、まずは基本構造をしっかりと理解しましょう。
Point(結論):最初が肝心
まず大切なのは、結論を明確に示すことです。「このプレゼンで何を伝えたいのか」を、最初の30秒で相手に理解してもらう必要があります。
例えば「新規事業として、法人向けコワーキングスペース事業を始めたい」というように、具体的で明確な表現を心がけましょう。「新規事業の提案があります」という曖昧な表現は避けるのがポイントです。
Reason(理由):論理的な説得力を持たせる
次に、なぜその結論に至ったのかを論理的に説明します。ここでのポイントは、相手にとって重要な理由を挙げることです。
理由は通常2-3個が適切です。例えば:
- 市場調査で確認できた強いニーズ
- 自社の強みが活かせる分野である
- 収益性の試算結果が良好
このように、具体的なデータや根拠を示しながら説明することで、説得力が増します。
Example(具体例):イメージを具体化する
続いて、具体例を示します。これは相手のイメージを具体化し、理解を深めるための重要なステップです。
ここでは以下のような例を示すと効果的です:
- 実際の成功事例
- 具体的な数値やデータ
- 想定されるシナリオ
たとえば「すでに他エリアで成功している類似事例では、初年度から80%の稼働率を達成し、2年目には黒字化を実現しています」といった具体的な例示が有効です。
Point(まとめ):印象に残る締めくくり
最後に、もう一度結論を述べます。ここでのポイントは、単なる繰り返しではなく、これまでの説明を踏まえた上で、より説得力のある形で結論を示すことです。
「このように、市場ニーズと当社の強みを活かせる法人向けコワーキングスペース事業は、次の成長の柱として最適だと考えています」というように、説明内容を集約した形でまとめるのが効果的です。
PREP法の基本構造(図解)
[ここに図解が入ります:
- 4つの要素を上から下に矢印でつないだ図
- 各要素の特徴や重要ポイントをアイコン付きで表示
- 時間配分の目安を%で表示]
これが基本構造ですが、実際のビジネスシーンでは、この構造をベースにしながら、状況に応じて柔軟にアレンジしていくことが重要です。
では次に、具体的なビジネスシーンでの活用方法を見ていきましょう。
起業家・個人事業主に効果的なPREP法の3つの活用シーン
PREP法は、特に説得力が求められるビジネスシーンで真価を発揮します。ここでは、起業家や個人事業主の方々が直面する代表的な3つのシーンについて、具体的な活用方法をご紹介します。
1. 商談・営業での使い方
営業シーンでは、限られた時間で相手を納得させる必要があります。PREP法を使うことで、提案の価値を効果的に伝えることができます。
【実践例:新規サービスの提案】
- Point(結論) 「御社の課題を解決する、AI活用の予約管理システムをご提案させていただきます」
- Reason(理由) 「現状の予約管理にお時間を取られている点、スタッフ間の情報共有にお困りの点、そして顧客データの活用をご検討中という3つの課題に対応できます」
- Example(具体例) 「実際に導入された同業他社様では、予約管理の工数が70%削減され、スタッフの残業時間も月平均10時間減少しました」
- Point(まとめ) 「このシステム導入により、業務効率の改善と顧客満足度の向上を同時に実現できます」
2. 投資家へのピッチでの活用法
投資家への説明では、事業の将来性と具体性の両方を示す必要があります。PREP法を使って、ロジカルな説明を心がけましょう。
【実践例:資金調達のピッチ】
- Point(結論) 「シニア向けデジタル教育事業で、3年以内に年商10億円を目指します」
- Reason(理由) 「デジタルデバイド解消への社会的ニーズの高まり、シニア層の学習意欲の上昇、そして当社独自の教育メソッドという3つの強みがあります」
- Example(具体例) 「すでに実施している試験サービスでは、受講者の95%が継続利用を希望し、満足度調査でも90%以上の高評価を得ています」
- Point(まとめ) 「社会課題の解決と高い収益性を両立できる事業として、大きな成長が期待できます」
3. チーム・従業員への提案での実践方法
社内向けのプレゼンでは、具体的なアクションにつなげることが重要です。PREP法を使って、明確な方向性を示しましょう。
【実践例:新しい働き方の提案】
- Point(結論) 「来月からハイブリッドワークを本格導入したいと考えています」
- Reason(理由) 「従業員アンケートでの要望が多い点、生産性向上が期待できる点、そしてコスト削減効果が見込める点が主な理由です」
- Example(具体例) 「試験導入した部署では、チーム満足度が20%向上し、業務効率も15%改善しました」
- Point(まとめ) 「働きやすさと生産性の向上を実現し、より強い組織づくりにつながると確信しています」
ポイント:シーンに応じた調整のコツ
どのシーンでも共通して重要なのは:
- 相手の立場や関心事に合わせた切り口の選択
- 具体的な数字やデータの活用
- 実例や成功事例の効果的な提示
これらを意識することで、PREP法の効果を最大限に引き出せます。
実例で学ぶPREP法
ここからは、より具体的なビジネスシーンでのPREP法の使い方を、実例を通して詳しく見ていきましょう。私が実際に経験した事例や、コワーキングスペースを利用されている起業家の方々の成功事例をベースにご紹介します。
実例1:新規事業の提案
【シーン設定】 既存のコワーキングスペース事業に、法人向けバーチャルオフィスサービスを追加する提案
Point(結論) 「既存のコワーキングスペース事業に、法人向けバーチャルオフィスサービスを新たに展開したいと考えています」
Reason(理由)
- 「コロナ以降、バーチャルオフィスの需要が前年比150%で増加しています」
- 「現在の会員様からも、月間平均10件の問い合わせをいただいています」
- 「既存の設備とスタッフで運営可能なため、初期投資を抑えられます」
Example(具体例) 「名古屋市内の類似サービスでは、開始から半年で100社の契約を達成し、月額売上150万円を実現しています。当エリアでも、不動産会社様への事前ヒアリングで、少なくとも50社程度の潜在需要が見込めることが分かっています」
Point(まとめ) 「バーチャルオフィスサービスの展開により、新たな収益の柱を作りながら、既存のコワーキングスペース事業との相乗効果も期待できます」
実例2:価格改定の説明
【シーン設定】 長年据え置いていた月額利用料の改定を会員に説明する場面
Point(結論) 「来月より、月額利用プランを改定し、新たな付加価値サービスを追加させていただきたいと思います」
Reason(理由)
- 「光熱費等の運営コストが3年間で約20%上昇しています」
- 「新たにミーティングルームを増設し、予約可能時間を2倍に拡大します」
- 「法人会員様向けに、経理代行サービスを新たに提供開始します」
Example(具体例) 「具体的には、現行の月額20,000円のプランを22,000円に改定させていただく一方で、ミーティングルームの利用時間を月5時間から10時間に拡大し、さらに経理代行サービスを月1回無料で利用できるようにいたします。これにより、実質的な値上げ分以上のサービス価値を提供させていただきます」
Point(まとめ) 「料金改定と同時に、皆様の業務効率化につながる新サービスを提供することで、より充実した環境をご用意させていただきます」
実例3:協業の提案
【シーン設定】 近隣の異業種店舗(カフェ)との協業を提案する場面
Point(結論) 「相互送客の仕組みを構築し、Win-Winの関係を作りたいと考えています」
Reason(理由)
- 「当スペースの会員の75%が日中にカフェ利用のニーズがあります」
- 「両店舗の繁閑の時間帯が異なり、相互補完が可能です」
- 「類似の協業事例で、両社の売上が平均20%向上しています」
Example(具体例) 「具体的な施策として、会員様向けの優待クーポンの発行や、カフェスペースでのコワーキング利用可能時間の設定を考えています。テスト期間として1ヶ月間試験運用したところ、双方で新規顧客の増加が見られ、特に平日午後の時間帯で顕著な効果が確認できました」
Point(まとめ) 「この協業により、お互いの強みを活かしながら、お客様により良いサービスを提供できると確信しています」
実例活用のポイント
それぞれの例に共通するポイントは:
- 具体的な数字やデータを効果的に使用
- メリットを相手視点で説明
- 実現可能性を示す具体例の提示
- 相手にとってのメリットを強調した締めくくり
これらを意識することで、より説得力のあるプレゼンテーションが可能になります。
PREP法を成功させるためのコツと注意点
PREP法を実践する上で、より効果的に活用するためのコツと、よくある失敗パターンについてお伝えします。私自身の経験や、コワーキングスペースを利用されている起業家の方々からいただいたフィードバックをもとに、実践的なポイントをまとめました。
相手に合わせた表現の調整方法
- 経営者・投資家向け
- 数字やデータを重視する
- 市場規模や収益性を具体的に示す
- 競合との差別化ポイントを明確に
- 投資対効果(ROI)を示す
- 顧客向け
- メリットを具体的なシーンで説明
- 費用対効果を分かりやすく
- 導入事例や testimonial を効果的に活用
- 実施までのステップを明確に
- 社内・チーム向け
- 目的と意義を丁寧に説明
- 具体的な行動計画を示す
- チームへの影響を明確に
- 質問や懸念への対応時間を十分に確保
時間配分の目安
15分のプレゼンテーションの場合:
- Point(冒頭):2分
- Reason:5分
- Example:6分
- Point(まとめ):2分
※質疑応答の時間は別途確保することをお勧めします
よくある失敗とその対処法
- 結論が曖昧になってしまう
- ❌ 「新しい取り組みを始めたいと思います」
- ⭕️ 「法人向けバーチャルオフィスサービスを3ヶ月以内に開始します」
- 理由が抽象的
- ❌ 「市場が伸びていると思います」
- ⭕️ 「市場規模が前年比150%で成長、2025年には100億円規模になると予測されています」
- 具体例が説得力不足
- ❌ 「他社でも成功している事例があります」
- ⭕️ 「A社では導入3ヶ月で売上が30%向上し、顧客満足度も15ポイント改善しました」
- まとめが単なる繰り返しに
- ❌ 「以上が私からの提案です」
- ⭕️ 「このように、市場ニーズと当社の強みを活かせる本提案は、次の成長機会として最適だと考えています」
準備段階でのチェックポイント
- 相手の関心事を押さえているか
- 決裁者の優先順位は何か
- どんな懸念があり得るか
- 実現可能性をどう示せるか
- データや具体例は十分か
- 数値やデータの出典は明確か
- 具体例は相手の状況に近いものか
- 比較対象は適切か
- ストーリーは通っているか
- 結論と理由に論理的なつながりはあるか
- 具体例は理由を裏付けているか
- 全体の流れに一貫性があるか
これらのポイントをチェックリストとして活用することで、より効果的なプレゼンテーションが可能になります。
まとめ
PREP法は、シンプルでありながら非常に効果的なプレゼンテーション手法です。今回ご紹介した内容を実践的にまとめると、以下の3つがポイントになります。
PREP法活用の3つのポイント
- 状況に応じた柔軟な活用を
- 基本構造は守りつつ、相手や状況に応じて重点の置き方を調整
- 数値やデータを効果的に組み込み、説得力を高める
- 具体例は身近で分かりやすいものを選択
- 準備が成功のカギ
- 事前に相手の関心事を把握
- 具体的な数値やデータの裏付けを用意
- 想定される質問への回答を準備
- 実践を重ねることで上達
- まずは小規模な場面から始める
- 相手の反応を観察し、改善点を見つける
- 成功・失敗の経験を次に活かす
次回予告
次回は、もう一つの効果的なプレゼン構成法である「SDS法」について、実践的な活用方法をご紹介します。商談や企画提案など、様々なビジネスシーンでの具体例もお届けしますので、ぜひご期待ください。
最後に、プレゼンテーションで大切なのは、相手に伝わることです。PREP法はあくまでもツールの一つ。これを基本としながら、皆さんなりのアレンジを加えていただければと思います。
実践でお困りの点があれば、ぜひRoom8でご相談ください。皆さんのプレゼンテーションが、より効果的なものになることを願っています。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう!