こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近は、名古屋・春日井エリアを中心に、「AIってどう活用したらいいの?」という相談を受けることが増えてきました。気づけば、業務効率化や仕組みづくりのお手伝いを通して、“AIコンサルタント”みたいなこともやっています。
さて、今日は少し角度を変えて、“投資とビジネスの共通点”について話したいと思います。
ここ最近、市場はトランプ政権の関税政策に振り回されっぱなしです。
- 4月7日、トランプが中国からの輸入品に34%の追加関税を発表 → 日経平均は過去3位の2644円安
- 4月9日、日本などへの関税を一時停止と発表 → 市場はポジティブに反応
- 4月10日、交渉期待から歴代2位の2894円高で爆上げ
- 4月11日、中国の報復関税(最大125%)により再び懸念 → 日経平均は1023円安
- 4月14日、週明けやや反発(+396円)も、依然不安定
この一連の流れ、まさに「感情で売り買いする人間心理の縮図」です。
そして実は、この“損する行動パターン”は、投資だけに限らず、
ビジネスの世界――特に起業初期の判断でも、よく見かける。
今回は、「なぜ人は損と分かっていても同じ行動を繰り返すのか?」
その裏にある心理の仕組みを紐解きつつ、
情弱ビジネスがどうやって人の心理を突いてくるのかにも触れていきます。
「自分は大丈夫」と思った人ほど、最後にカモられる。
だからこの記事を読んだあなたには、もう“選ばされない人”になってほしいんです。
なぜ人は“損する行動”を選んでしまうのか?

冷静に考えたら、わかるはずなんです。
株が高値をつけたときに買って、暴落で売る――
こんなの、投資の世界では“初心者がやりがちなミス”として、もう何十年も前から言われてること。
なのに、今も変わらず多くの人がやってる。
なんなら、それを繰り返すために投資してるんじゃないか?ってレベルで毎回やってる。
これ、バカだからじゃないんです。
人間ってそういう生き物なんですよ。
📉 「損失回避バイアス」という名の呪い
心理学には「プロスペクト理論」っていう有名な概念があります。
ざっくり言えば、人は“得する喜び”より、“損する苦しみ”の方を強く感じるってやつ。
だから、含み益が出てるとすぐ利確して、
含み損が出てると「戻るまで待とう…」と耐える。
つまり、上がったらすぐ売り、下がっても握り続け、そして最終的に投げ売る。
──これ、もはや市場のATM機能付きエンタメ参加者じゃないですか。
🧠 「冷静な判断」はできないと知れ
こういうこと言うと、「いや、自分はちゃんと考えてる」とか思う人、一定数います。
だけど、自分の感情が自分の判断を支配してることに気づいてない時点でアウトなんですよ。
・みんなが買ってるから不安になって自分も買う
・誰かが損した話を聞いて「やっぱりやめとこ」と思う
・“今ならまだ間に合う!”みたいな広告を見て焦って申し込む
全部、理性のフリした感情です。
そしてこの構造、まるごとビジネスの世界でも使われてます。
特に、あなたのような“まだ判断軸ができてない新米起業家”を狙って。
「正しい判断」なんて、感情で選んでる時点で存在しない。
そしてそれを見越して、誰かがちゃんと“損する行動”へと誘導してくる。
さて、次はその構造=情弱ビジネスの仕組みを解剖してみましょう。
情弱ビジネスはなぜ成立するのか?

投資の世界で「感情で動いた人がやられる」のは、もう見え見えの話。
でも、それとまったく同じ仕組みが、世の中にはごまんと転がってる。
そう、それがいわゆる“情弱ビジネス”です。
よくあるパターンを見てみましょう。
- 「これからの時代は〇〇で稼ぐ!」
- 「今やらないと損しますよ!」
- 「これさえあれば、月収100万円」
- 「成功者だけが知っている裏ノウハウ」
この手の言葉に反応してしまうのは、知識がないからじゃない。
判断軸がまだないからなんです。
「損したくない」
「正解が知りたい」
「出遅れたくない」
そんな気持ちがあるから、
誰かが差し出した“わかりやすい答え”に飛びついてしまう。
これ、まさに高値で買って暴落で投げ売る流れとまったく一緒です。
起業初期こそ、狙われやすい
僕もいろんな人の起業支援をしてきて思うんだけど、
「自分で考える力が育つ前にお金を払わされる」ケースがめちゃくちゃ多い。
・高額起業塾
・自動化テンプレート商材
・SNS運用代行
・AIで月収100万系パッケージ
もちろん全部が悪いわけじゃない。
でも、「不安なあなた」に「すぐに結果が出る何か」を差し出してくる時点で、それってもう構造が一緒なんですよ。
“不安を煽り、希望で釣り、焦りで買わせる”
ビジネスモデルとしては成立してる。
だけど、買ってる側が“成長せずに終わる”設計になってるなら、それってもう罠なんです。
情弱ビジネスって、
「逆を行けない人の感情」を、ものの見事に設計してるんですよ。
見てると、よくできてるな〜とすら思う。
でもその「よくできた構造」に、起業家が最初に負けるのは見ていて悲しくなる。
起業は自由だ。だけど自由には「自分で判断する責任」がついてくる。
じゃないと、誰かの正解で一生踊らされるだけ。
さあ、次は“どうやったらその罠から抜け出せるか”の話をしよう。
“正しいアドバイス”にすら、罠は潜んでいる

正論を信じた結果、動けなくなる人たち
たとえば、よく言われる“起業のアドバイス”にはこんなものがあります。
- 「考える前に行動しろ」
→ でも、「しっかり考えて行動しろ」とも言われる - 「今はまだタイミングじゃない」
→ でも、「完璧なタイミングなんて一生来ない」とも言われる - 「土台を固めてから始めるべき」
→ でも、「走りながら整えるのが起業だ」とも言われる - 「競合が多い市場には入らない方がいい」
→ でも、「競合が多い=ニーズがある証拠」とも言われる
どっちも正しいように見える。
でも、両方信じていたら何もできなくなる。
そして、文脈も考えずに片方だけを“正解”だと思い込むと、
行動しない理由を正当化するための便利な盾になってしまう。
誰かの体験や失敗から生まれた“正解”も、
その人の前提・状況・リソースがあってこその話。
真逆のケースではまったく通用しないこともある。
だから大事なのは、
「どちらが正しいか」ではなく、「自分の状況ではどうか?」を考えること。
言葉を信じるのではなく、考える材料として使う。
その姿勢がないと、どんなに立派なアドバイスも、
ただの“選ばされるトリガー”になってしまう。
思考停止しないために必要なのは、
信じることじゃなく、自分の頭で問い直すことだと思う。
本物があるからこそ、偽物が生き延びる
ビットコインが来る、と言って本当に来た。
でもその裏では、似たような顔をした詐欺まがいのコインやマルチまがいの塾が大量発生していた。
AIも同じ。
「AIの波が来ている」は本当。
でもその本物の熱に便乗して、“AIで月収100万”みたいなテンプレ商材や胡散臭い案件も湧き出す。
つまり、本物があるからこそ、ニセモノが信じられてしまう。
偽物は、本物と“同じ顔”をしている
ニセモノは、本物と同じ言葉を使う。
同じデザイン、同じセミナー風プレゼン、同じ肩書き、同じ空気感。
「今がチャンス」
「乗り遅れるな」
「成功者はみんなやっている」
こういう言葉が効くのは、実際にそうだった事例があるからなんだよね。
大切なのは、言葉の裏に何があるか
じゃあ、言葉を信じなきゃいいのか?
それも違う。
本当に見るべきは、“その言葉の裏に何があるか”。
言葉ではなく、実態・数字・再現性・行動の一貫性。
誰が言ったかではなく、何が行われていて、どんな結果が出ているか。
たとえば、うまくいってる人が何を言ってるかより、
何をしているかのほうが100倍価値がある。
SNSで吠えてる人よりも、静かに成果を出してる人の行動の方がずっと信用できる。
合理的、でも“それだけで安心”は危うい
たとえば、インデックス投資に分散して積み立てる。
これは、過去のデータを見れば、ほぼ間違いなく“合理的な選択”だ。
世界恐慌、ITバブル、リーマンショック――
何度も大きなクラッシュを経ても、長期で見れば回復してきた。
資本主義の歴史が、それを証明している。
でもそれでも、「これさえやっておけば大丈夫」と思考を止めてしまったら危うい。
未来がどう変化するか、自分の判断がどこまで有効なのか、
そういう視点を持たずに安心しきってしまったら、選んでるようで選んでいない。
それは単に、誰かの安心感に乗っかってるだけになってしまう。
リスクを“避ける”のではなく、“許容して進む”
成功確率が高いだけで、リスクがゼロなわけじゃない。
だからこそ、失敗するかもしれないという前提も持っておく。
そのうえで、自分で納得して選ぶ。
それが、賢いリスクの取り方だと思う。
胡散臭さの中にも、チャンスはある
僕は、「胡散臭いものには絶対手を出すな」とも言わない。
むしろ、“一見怪しい”ものの中にこそ、
人より一歩先に動けるチャンスが眠ってることもある。
大事なのは、飛びつかないことじゃない。
“飛び方”を間違えないこと。
リスクを知り、火傷しても致命傷にならない範囲で、
自分で考えて、自分で決めて動く。
それができるなら、胡散臭さすら利用して前に進むことができる。
本当にヤバいのは、「絶対に失敗しない方法」を信じること
一番危ういのは、「絶対に失敗しない方法」を信じた人だ。
なぜなら、その人は一度のミスですべてを失う可能性があるから。
情報弱者と情報強者の違いは、知識の多さじゃない。
リスクを直視できるかどうか。
そして、自分で“選ぶ感覚”を持てているか。
それがある人は、騙されたとしても、ちゃんと戻ってこれる。
最後に伝えたいこと
選んだ道の正解・不正解じゃなくて、選び方の精度が人を分けていく。
選ばされるな。選び取れ。
それが、僕がこのセクションで伝えたかったこと。
まとめ:思考停止しないという選択

世の中には、もっともらしい“正論”が溢れてる。
投資の世界にも、起業の世界にも、ビジネスの世界にも。
「分からないことはやるな」も正論。
「分からなくてもやれ」も正論。
「トレンドに乗れ」も、「トレンドは避けろ」も、どっちも聞いたことがある。
つまり、“正論”なんてその程度のもんだ。
どれも、誰かの都合の良い場面でだけ成立した一時的なパッチみたいなもの。
問題なのは、言葉じゃない。
その言葉を、自分で考えもせず、便利な免罪符として信じてしまうこと。
「〇〇の成功者が言ってた」
「有名な人が言ってた」
……で?お前の人生、いつから他人の言葉で操縦される仕様になったんだ?
誰かの“成功パターン”を文脈も見ずにコピペしようとした瞬間に、
君はもう「選んでる」んじゃない。
選ばされてる“ただの素材”だ。
情報弱者ってのは、知識がない人のことじゃない。
自分の判断を放棄して、他人の言葉に従う人生を“楽で安心”だと思ってる人のこと。
このブログで僕が伝えたかったのは、
「こうすれば正解ですよ」って話じゃない。
どんなに正しそうな言葉にも、“ほんとか?”って毒づける自分を持とう。
騙されることを恐れるな。
むしろ、信じすぎて自爆する未来の方がよっぽど危ない。
信じながら、疑う。疑いながら、信じる。
その両方を持ったまま選び続けるやつが、
この情報社会を、燃えずに、ブレずに、生き抜ける。
もしそれができないなら――
せめて、騙されたときに「全部あいつのせいだ」とか言うなよな。