独立しても正解なんてない。だから“選べる自由”が価値になる

こんにちは、春日井のコワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です。
Room8を立ち上げてから、もうすぐ11年。
この場所を通じて、これまで本当に多くの「これから独立したい」「会社を辞めて挑戦したい」という方たちと出会ってきました。

最近では、ChatGPTをはじめとしたAIやDXの流れもあって、
「会社に依存せず、自分の力でやっていきたい」という動きがますます増えています。

昨日は、そんな“独立という選択”について、少し変わった角度からnoteを書きました。

📘 タイムアタックの途中で全滅する自由について
「人生は正解ルートを最短で走るものだ」と思わされている人にこそ読んでほしい話です。

この記事では、“わざと遠回りして全滅すること”すら人生の一部として面白がろうぜ、という
やや哲学寄りのスパイス強めな内容に仕上げています。

ただ今回は、もう少し現実的なところに踏み込んでみたいと思います。

  • なぜ独立したばかりの人ほど、「正解」を欲しがるのか
  • でもその「正解」は本当に役に立つのか?
  • そして、どうすれば“自分の起業”を楽しめるのか

そんな話を、Room8という場所で11年分の起業家を見てきた目線からお伝えします。

「このままでいいのかな…」「もっと効率の良いやり方があるのでは…?」と悩んでいる方にこそ、
読んでもらえたらうれしいです。

なぜ“正解”を求めすぎてしまうのか?

独立したばかりの人と話していて、よく出てくるのが「これで合ってるんでしょうか?」という不安です。
「このやり方で間違っていないのか」「もっと効率的なやり方があるんじゃないか」「他の人はもっと結果出してるのに」といった言葉。正直、めちゃくちゃよく聞きます。

でもこれ、ある意味では当然です。

会社員時代、僕たちは“正解に従うことで評価される”世界で生きてきました。
上司に確認する、前例を探す、答えを間違えないことが大事。
だから独立した瞬間、その“正解をくれる人”がいなくなると、急に不安になる。
まるで誰かに答えを保証してもらわないと、前に進んじゃいけないような気さえしてしまう。

それもそのはず。学校教育からずっとそうだったから。
テストには正解があって、それを当てることが「いいこと」だとされてきた。
結果、“自分で考えて、自分で選ぶ”という当たり前の行為が、極端に怖くなってしまっている。

でも──ここで言いたい。

起業はテストじゃない。
そもそも正解なんてない。
正解がない中で「どうするか」を決めるのが、あなたの仕事です。

だから、他人のルートを参考にするのは良いとしても、
「これが正しいですよね?」と答えを他人に委ねるのは、もうやめていい。

自分で選んだルートでうまくいけば、納得感は圧倒的に強い。
逆に、他人の成功パターンをなぞってうまくいっても、「これでよかったのかな…?」とどこかで残る。

独立してすぐの頃こそ、“誰かに正解を決めてもらいたくなる”気持ちは本当にわかる。
でもその衝動は、自分の選択肢をどんどん狭めていく毒でもある。

「正しい道」より「自分で選んだ道」の方が、長い目で見てはるかに価値がある。
これは、何人もの起業家の実例を見てきたRoom8として、確信を持って言えることです。

成功法則はどこまでいっても“曖昧な後付け”

世の中にはいろんな“成功法則”が溢れています。

「行動がすべて」「考える前に動け」「まずは売上を作れ」
一方で「無理に焦るな」「準備が9割」「戦略を固めてから動け」なんて言葉もある。

気づいている人もいると思います。
どっちも“正論”として語られてるし、
どっちも“成功者”の肩書き付きで発信されてる。
なのに真逆。もはや、どっちやねん状態。

でも、これは単に「人によってやり方が違う」という話じゃない。

もっと言えば、「成功法則」って基本的に、“成功した人があとからそれっぽくまとめたもの”にすぎない。
現実はもっと雑で、ブレてて、偶然が絡んでいて、本人にもよく分かってなかったりする。

なのに、結果が出たあとになると、
「こうすれば誰でもうまくいくよ」とまとめて語られる。
それっぽいストーリーになって、誰かの教科書になっていく。

でも実際には、同じやり方をしても同じ結果にならないことのほうが圧倒的に多い。
起業でも、マーケでも、人間関係でも。
やり方より、やった人・やった場所・やった時期・やった動機のほうが影響力が強かったりする。

だから、「こうすれば成功する」という言葉に安心を求めるのは危ない。
それは“誰かの思考停止”をそのまま引き継ぐことになるから。

この感覚、SNSを見てると特に分かりやすい。
誰かの「私はこうして月収100万突破しました」みたいな投稿がバズってると、
つい「じゃあ自分もそのステップをなぞれば…」って思いたくなる。
でも大事なのは、その方法が“自分に合ってるか”どうか。

もしくは──
それ、そもそも自分がやりたい人生なんだっけ?

焦って正解を探しにいくと、他人の物語の中で努力する羽目になる。
どれだけ頑張っても、自分のゲームじゃないから、楽しくないし、続かない。

参考にするのはいい。インスピレーションにするのもいい。
でも、“これは俺の地図にはいらない”って切り捨てる勇気も必要。

本当に起業を楽しみたいなら、
他人の地図じゃなくて、自分の感覚と好奇心に合うルートを作ること。
そのルートが回り道でも、変な坂でも、誰も通ってなくても──
それが自分の道なら、ちゃんと意味がある。

そして不思議と、そういう道の方が、人を惹きつける。
変なルートを真顔で突っ走ってる人間のほうが、なんか面白そうに見えるし、実際面白い。

だから、成功法則に迷ったら、こう思えばいい。

「これは俺の遊び方に合ってるか?」

たったそれだけで、“合わない正解”を背負って潰れるリスクはぐっと減ります。

正解じゃなかったけど、面白かった道

Room8を立ち上げたのは、11年前。
当時「コワーキングスペース」という言葉すら、ほとんどの人に通じていませんでした。

当然、「それって何?」「儲かるの?」「今やること?」みたいな声は山ほどありました。
親切心もあったと思うけど、正直、9割が“やめとけ系”アドバイス。

でも僕は、そういう声よりも
「なんか面白そうじゃん」という直感のほうを優先した。

そして、はっきり言います。
あの時点での判断が“正解だった”かどうかは、今でも分かりません。

効率で言えばもっと良いものがあったとすら思います。
もっと稼げるビジネスもあったと思うし、
もっと注目される分野を狙えばよかったのかもしれない。

でも、ひとつだけ確信しているのは、
「自分で選んで、踏み込んだ」って事実は、確実にその後の自分の道を変えたということ。

あの時、意味も分からず“橋を渡って敵が強すぎて全滅する”みたいな感覚で始めたけれど、
その全滅から学んだこと、出会った人、積み重ねた時間こそが、
今の僕をつくってる。

そして──
不思議と、あの「意味があったか分からないチャレンジ」が、一番面白かったんです。

最短ルートではなかった。
正攻法でもなかった。
でも、だからこそ“俺のルート”になった。

これまでに沢山の独立希望者や起業家を見てきて思うのは、
「結果が出ること」と「納得が残ること」は、別物だということ。

自分で選んだ道じゃないと、うまくいっても心が冷める。
上手く行かないとすぐに諦める。
逆に、自分で選んだ結果なら、うまくいかなくても「まだやれる」と思える。

そして結局のところ、
起業というゲームの“続ける強さ”は、納得の積み重ねからしか生まれない。

だから僕は、遠回りだったかもしれないし、
不器用だったかもしれないけど、Room8をやってきて本当に良かったと思ってます。

そう思えるのは、正解だったからじゃなくて、“自分で選んだから”です。

“自分で選ぶ”という行為そのものが、自由の始まり

僕は、起業って「正解ルートを選ぶこと」じゃないと思っています。
どちらかというと、道なき道を踏み固めていくこと。
つまり、“開拓”に近い。

誰も歩いたことのない場所を、自分の足で一歩ずつ歩く。
ある日、目の前に岩が出てきたら、砕くのか、回り込むのか、上に登るのか。
その選択肢を、自分で判断して決めていく。
それが起業の本質じゃないかと感じています。

でも世の中には、「砕く方が効率的」「いや回避がスマート」と、
やたら岩の越え方について議論したがる人たちがいます。

でもそれって、正直どうでもいいんですよね。

どの手段を使ってもいい。目的地にたどり着けるなら、それでいい。
ぶっちゃけ、どれが正解だったかなんて、たどり着いたあとにしか分からないし、
たどり着いてしまえばそんなことどうでも良かったりします。

もっとスマートな方法が分かればそれをすれば良いだけですし。

つまり、正解かどうかはあとから勝手に決まるものであって、
今この瞬間の選択に“正解・不正解”というラベルは必要ない。

必要なのは、「どう選ぶか」。
そして「その選択に、自分が納得できるか」。

自分で決めた道は、たとえ時間がかかっても、迂回しても、
どこかでちゃんと自分を支えてくれる。
それが、“自分で選んだ”という経験の強さです。

起業は、正解を当てにいく作業じゃない。
意味を作っていくプロセスそのものなんです。

正解かどうかなんて、どうでもいい。
「選んで進んだ」その事実が、自由の第一歩です。

正解なんて幻想。でも選んだ道に味はつけられる

結局のところ、「これが正解だよね?」って誰かに聞きたくなるのは、失敗が怖いからだと思います。

間違えたくない、無駄にしたくない、自分だけ外れたくない。
それは当然の感情です。
でも、その感情に従って正解っぽい道を選び続けると、 気づいた頃には、自分の人生じゃなくなってることがある。

味気ない正解に乗っかるより、少し苦いかもしれないけど、自分で調味料をかけたほうが、人生はずっと美味しい。

僕のことを「強いですね」と言ってくれる人がいます。
たぶん、何度壁にぶつかっても笑顔で立ち向かっているように見えるからだと思います。
でも、僕は自分が強いとはまったく思っていません。

昔、上場企業に勤めていたことがあります。
給料は安定していたし、待遇も悪くなかった。
いわゆる“ちゃんとした会社員”だったと思います。
でも──日曜の夜になると、憂鬱で仕方がなかった。

明日からまた会社か……
そんなふうに思う日が続いていました。

僕は、バブル崩壊後の就職氷河期を通って、上場企業に入り、 そこそこの給料をもらって、安定した生活をしている── 世の中の“正解ルート”をちゃんと進んでいた側だったと思います。
エリートではないけど、どちらかと言えば“勝ち組コース”には乗っていた。

でも、それに耐えられなくなって会社を辞めた。
だから、決して強い人間ではないんです。
ただ、他人の作った正解に従って生きていくことに耐えられなかっただけ。

当時、父親には「我慢が足りない」とも言われました。
でも、もし我慢していたら、今の自分はいなかったと思います。

起業って、毎日が試行錯誤の連続です。
うまくいく日もあれば、うまくいかない日もある。
むしろ、“うまくいかなかった日”の方が多い。

でも、そのうまくいかなかった日でも──
納豆ご飯がうまけりゃ、とりあえずは良しじゃないですか。

人生に正解はなくても、“今日、自分で選んだ一日だったか”っていう感覚だけは残せる。
それを毎日積み重ねていけば、たぶんそれで十分だと思います。

完璧な戦略とか、最短のルートとか、みんなが欲しがるけど、
実はそこまで行かなくても、ちゃんと満たされる瞬間ってあるんですよね。

そして、それを見つけられるのが、
自分の道を自分で選んでいる人間の特権なんだと思います。

だから今日も、うまくいってもいかなくても、
胸張って言いましょう。

「まあ、今日もうまかったし、いっか」って。

この記事を書いた人

コワーキングスペース 代表 鶴田 賢太

「AI系」起業アドバイザー 鶴田賢太です
春日井・名古屋で コワーキングスペース「Room8」 を運営しながら、起業家をサポートしています。

もともとは 簿記1級 から始まり、ITエンジニア、マーケティング、補助金、財務相談と、いろんな分野を経験してきました。でも、これからの時代は AI。今は 生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)を駆使して、起業を加速させる方法 を探求しています。

Webサイト制作は 100社以上、SEO対策も得意。補助金申請も 15回以上サポート してきました。けど、これからは AIをどう活用するかが、起業の成否を分ける 時代。Room8では、AI活用の相談も大歓迎です。

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