こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
この記事は、デザイン思考についての3部作の最終回です。
第1回では「デザイン思考とは何か」について、第2回では「5つのステップの具体的な進め方」についてお伝えしてきました。
「デザイン思考って、理屈は分かったけど、実際にどう活用したらいいんだろう?」
そんな声をよく聞きます。確かに、大企業の成功事例は数多く紹介されていますが、個人事業主やフリーランスの方が実践するとなると、なかなかイメージが湧きにくいかもしれません。
でも、実は個人事業主だからこそ、デザイン思考は強力なツールになるんです。規模が小さいからこそ、お客様の声を直接聞き、素早く改善できる。そんな小規模ビジネスの強みを最大限に活かせる考え方なんです。
今日は、実際の成功事例を通じて、個人事業主がデザイン思考をどのように活用しているのか、具体的にご紹介していきます。
個人事業主のデザイン思考活用事例

以下の3つの事例を通じて、デザイン思考の実践的な活用方法をご紹介します。
事例1:パーソナルトレーナーAさんのケース
「オンラインでのトレーニング指導をもっと効果的にしたい」というニーズから
1. 共感フェーズ
- クライアントの自宅での運動の様子を動画で記録してもらう
- 普段の生活リズムについて詳しくヒアリング
- オンラインレッスンの感想を細かく聞く
2. 問題定義
「画面越しでは、トレーニングの細かな修正が難しい」ではなく、
「自宅で継続的に正しいフォームを維持できる仕組みが必要」という本質的な課題を特定
3. アイデア創出
- トレーニング動画のライブラリ化
- AIを使ったフォームチェック
- 仲間とオンラインで繋がれるコミュニティ作り
4. プロトタイプと検証
まず少人数のクライアントに、スマートフォンで撮影した動画をAIでチェックするシステムを試験的に導入。
5. 結果
- クライアントの継続率が20%向上
- フォームの改善スピードが上がった
- クライアントからの満足度も向上
事例2:フリーランスのウェブデザイナーBさんのケース
「依頼が増えても、品質を落とさず効率的に仕事をしたい」という課題から
1. 共感フェーズ
- 過去のクライアントにインタビュー
- 依頼内容や修正要望を分析
- 自身の作業プロセスを詳細に記録
2. 問題定義
単なる「作業時間の短縮」ではなく、
「クライアントとの認識のズレを早期に解消する」ことが重要だと気づく
3. アイデア創出
- デザインテンプレートの作成
- ヒアリングシートの改善
- 中間確認プロセスの導入
4. プロトタイプと検証
新しいヒアリングシートと中間確認プロセスを導入し試験運用
5. 結果
- 修正回数が平均60%減少
- 作業時間の30%削減に成功
- クライアントからの信頼度アップ
事例3:地域の小さな雑貨店Cさんのケース
「大手ECサイトとの差別化を図りたい」という課題から
1. 共感フェーズ
- 店舗での顧客観察
- SNSでのコメント分析
- 常連客へのインタビュー
2. 問題定義
「価格競争力の向上」ではなく、
「地域に密着した特別な買い物体験の提供」が求められていることを発見
3. アイデア創出
- 商品のストーリー性強化
- 地域作家との協業
- オンライン接客サービス
4. プロトタイプと検証
まず、商品の背景やこだわりを伝えるオンライン接客を試験的に開始
5. 結果
- リピート率が40%向上
- SNSでの口コミが増加
- 客単価が25%アップ
3つの事例から見えてくる共通点
- 表面的な問題ではなく、本質的な課題を見つけ出している
- 小規模だからこそできる、きめ細かな対応を活かしている
- 試行錯誤を恐れず、小さな実験から始めている
デザイン思考導入のポイント

前回の記事で解説した5つのステップを、実際のビジネスでどう活用していくか、具体的なポイントをお伝えします。
1. 小規模ビジネスでの実践方法
時間の効率的な使い方
- 普段の業務の中に組み込む
例:お客様との何気ない会話の中でニーズを探る、日々の気づきをメモに残す - 定期的な振り返りの習慣化
例:週1回30分、その週の気づきを整理する時間を設ける - 優先順位をつける
例:最も重要な顧客セグメントに焦点を絞る
予算をかけない工夫
- 既存のツールの活用
例:Googleフォームでアンケート、ZoomやLINEでインタビュー - 身近な人からフィードバック
例:家族や友人に協力してもらい、初期のアイデアを試す - 無料のプロトタイプツール活用
例:ペーパープロトタイプ、スマートフォンでの動画撮影
2. 実践でよくある課題と解決策
「時間がない」という課題
→ 解決策:
- まずは小さな範囲から始める
- 日常業務の中に組み込む
- テーマを絞って集中的に取り組む
「一人では難しい」という課題
→ 解決策:
- オンラインコミュニティへの参加
- 同業者とのコラボレーション
- お客様を巻き込んだ共創
「効果が見えにくい」という課題
→ 解決策:
- 具体的な指標を設定(例:顧客満足度、リピート率)
- 小さな成功体験を積み重ねる
- 定期的な振り返りの実施
3. 継続的な改善のために
習慣化のポイント
- 朝の時間を活用する
例:出勤前の30分でアイデアを整理 - 既存の業務フローに組み込む
例:顧客との面談後に必ずフィードバックをメモ - 定期的な見直しの機会を設ける
例:月1回の振り返りミーティング
モチベーション維持のコツ
- 小さな成功を記録する
- 同じ志を持つ仲間とつながる
- 定期的に新しい学びを取り入れる
実践のためのステップバイステップガイド

第1回で学んだ基礎知識、第2回で解説した具体的手法を踏まえて、実践に向けた具体的な手順をご紹介します。
Step 1:準備段階(1週間)
やることリスト
- 身近な課題を3つリストアップ
- お客様からよく聞く悩み
- 自分自身が感じている課題
- 将来的に取り組みたいこと
- 優先順位をつける
- 取り組む課題を1つ選ぶ
準備するもの
- ノートまたはデジタルメモツール
- カレンダー(時間確保のため)
- 可能であれば、協力してくれる1-2名のお客様
Step 2:実践開始(2-3週間)
1週目:共感フェーズ
- お客様との会話を意識的に増やす
- 気づいたことを必ずメモする
- 具体的な行動や発言を記録
2週目:問題定義
- 集めた情報を整理
- パターンや共通点を見つける
- 本質的な課題を言語化
3週目:アイデア出し
- 朝15分のアイデア出し習慣
- 「質より量」を意識
- 気になるアイデアを3つに絞る
Step 3:小さな実験(2-4週間)
プロトタイプの作成
- できるだけ簡単な形で
- 最小限の機能に絞る
- 既存のツールを活用
テストの実施
- 2-3名のお客様に協力を依頼
- フィードバックを詳しく記録
- 改善点をリストアップ
Step 4:改善と定着(継続的に)
振り返りの習慣化
- 週1回の振り返り時間の確保
- 成功・失敗の要因分析
- 次のアクションの計画
継続のためのコツ
- カレンダーに時間をブロック
- 同じ志を持つ仲間との共有
- 小さな成功体験を記録
まとめ:デザイン思考で広がるビジネスの可能性
3回にわたって、デザイン思考について詳しく見てきました。第1回の基礎知識、第2回の具体的な手法、そして今回の実践事例を通じて、デザイン思考の全体像をお伝えできたのではないかと思います。
重要なポイントを振り返ると:
- お客様の本質的なニーズを理解することから始める
- 完璧を目指さず、小さな一歩から始める
- 試行錯誤を恐れない姿勢を持つ
個人事業主やフリーランスの方にとって、デザイン思考は決して難しいものではありません。むしろ、小規模だからこそ、
- お客様との距離が近い
- 素早く実験できる
- 柔軟に改善できる
という強みを活かせる考え方なのです。
ぜひ、この記事を読んで「やってみよう」と思った方は、明日から一つずつ実践してみてください。きっと、新しいビジネスの可能性が見えてくるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。皆様のビジネスに、デザイン思考が新しい価値をもたらすことを願っています。
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