コワーキングスペースの入会処理を自動化!一人運営でもできるスプレッドシート設計術

こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!

最近は、名古屋・春日井を中心に「AIを活用した業務効率化」の相談も増えてきて、いつの間にか”AIコンサルタント”みたいな肩書きも付いてしまいました。「鶴田さん、ChatGPTってどう使えばいいですか?」と聞かれる機会が増えて、こりゃもう逃げられないなと腹をくくった今日この頃です。

さて、DXプロジェクト第1弾に続く2日目の今回は、私たちの業務の中核となっているGoogleスプレッドシートについてお話しします。

「Googleフォーム→スプレッドシート」という連携は、多くの方が利用する非常にシンプルな仕組みです。まるでカップラーメンのようなもので、誰でも簡単に使えて、それなりに満足できる。でも僕はここに「業務の中枢神経系」としての可能性を見出しました。

なぜなら、一人で事業を回すには「複雑な業務を単純化する」ことが必須だからです。僕が目指しているのは「単純化」と「自動化」の両立。そのためには、データの流れを一本の川のように一元化する必要があります。

今回は、そんなスプレッドシートの設計思想と、これから構築していくDX化の全体像における「要」としての役割についてご紹介します。正直、何も特別なことはしていません。でも「普通のツール」を少し違った視点で眺めると、新たな可能性が見えてくるものです。

なぜスプレッドシートを選んだのか

なぜスプレッドシートを選んだのか

「誰でも使える」という強み

まず、僕がスプレッドシートを選んだ最大の理由は「誰でも使える」という点です。

ぶっちゃけ、Googleフォームと連携できるからというのが一番の理由です(ボタン一つで連携できる手軽さ!)。最初は「ホームページにコンタクトフォームを作れば良いのでは?」とも考えたんですが、Googleフォームの方が圧倒的に楽ですし、何より自動でスプレッドシートに連携できる。一人で事業を回している身としては、この「余計な手間がない」というのは本当に大きいんです。

正直、最初は「もっと本格的なデータベースを使うべきかな?」と考えたこともありました。でも、SQLデータベースを一人で管理するのって、ハンバーガーを食べようとしたら突然キッチンに立たされて「さあ、牛を育てるところから始めなさい」と言われるようなものです。そこまでのコストをかける価値があるのか?と考えたとき、スプレッドシートという「ファストフード」の魅力に気づいたんですよね。

「でもスプレッドシートって本格的なの?」と思われるかもしれませんが、使い始めてみると意外と侮れない機能が揃っています。特別な知識がなくても直感的に使えるUI、自分でメンテナンスできる安心感。一人事業主にとって、これらの「シンプルさ」こそが最強の武器になります。

API連携の豊富さ

次に挙げられるのが、Google Sheets APIを通じた連携の豊富さです。

現在のビジネスツールの多くはAPIを公開しており、Google Sheetsとの連携が可能です。例えるなら、スプレッドシートは「万能コネクター」のようなもの。様々なサービスを繋ぐハブになれるんです。

また、ZapierMake(旧Integromat)などのノーコードツールを使えば、プログラミングスキルがなくてもAPI連携を実現できます。「APIって何?プログラミング?無理無理〜」という方でも、こうしたツールを使えば意外と簡単にシステム連携できるんですよ。

Room8では、このスプレッドシートを中心に、Stripe、Misoca、Paid、freeeなど複数のサービスと連携させる予定です。この「ハブ」としての役割が、スプレッドシートを選んだ大きな理由です。

AIとの相性の良さ

最後に、AIとの相性の良さも重要なポイントです。

構造化されたデータは、ChatGPTなどのAIが処理しやすい形式です。列名(カラム)がはっきりしていれば、AIはその意味を理解し、適切な処理を行うことができます。

これは例えるなら、AIに「整理整頓された本棚」を見せるようなものです。「赤い表紙の本を取って」と言えば、すぐに見つけられますよね。でも散らかった部屋だと「あれ、どこだっけ?」となってしまう。スプレッドシートは、そんな「整理整頓された本棚」のような役割を果たしてくれるんです。

また、JSON形式でのデータ出力も容易なため、様々なAPIとの連携においても障壁が低くなります。「JSONって何?」という方も多いと思いますが、簡単に言えば「AIやプログラムが読みやすいデータ形式」と思ってもらえればOKです。

Room8のスプレッドシート設計思想

Room8のスプレッドシート設計思想

カラム構成と役割分担

Room8のスプレッドシートは、大きく分けて以下のカラム群で構成されています。

  1. 基本情報カラム群
    • Googleフォームから直接保存される情報(氏名、連絡先、希望プランなど)
    • タイムスタンプ(申込日時)
  2. 処理用カラム群
    • 支払方法フラグ(クレジット/請求書/口座振替)
    • プラン確定フラグ(申込内容から最終確定したプラン)
    • 入会金額・月額料金(金額の自動計算用)
  3. ステータス管理カラム群
    • 請求処理ステータス(未処理/処理中/完了)
    • 契約書ステータス(未作成/作成済/同意済)
    • 入金確認(未/済)

ここで重要なのは、「データを保存する場所」としてだけでなく「業務進捗を管理する場所」としての視点です。例えば、支払い処理が済んだら対応するセルの色を変えるとか。これ、超アナログな方法に聞こえますが、実は「一目で状況がわかる」という点でめちゃくちゃ便利なんですよね。

あるSEの友人からは「そんな手作業、自動化しろよ」と言われましたが、「それは次のステップで、まずは仕組みを整理することから始めないと」と反論しておきました。デジタル化の前に業務の整理、というやつです。

このように、「保存される情報」と「処理のための情報」を明確に分けることで、データの流れと処理状況を一目で把握できるようにしています。

データの正規化と一貫性

「正規化」って言葉、ちょっと難しそうですよね。簡単に言うと「データをキレイに整理整頓すること」です。

例えば、プラン名や支払方法などは、自由入力ではなくドロップダウンで選択させるようにしています。自由入力だと「デイタイム会員」「デイタイムプラン」「デイタイム」など表記がバラバラになりがち。これをキレイに揃えておくことで、後々の自動処理がスムーズになります。

また、日付や金額など、後続処理で重要となるデータは、入力時に形式をチェックする仕組みを導入しています。例えば、電話番号にハイフンがあるかないか、氏名の間に全角スペースが入っているかいないか。こういった「ゴミデータ」が入らないようにすることが、自動化の第一歩なんです。

ここまで聞くと「めんどくさ!」と思われるかもしれませんが、最初に少し手間をかけておくと、後々の作業が格段に楽になります。10分かけて畑を耕せば、その後の収穫が何倍にもなる、みたいなものですね。

自動化の起点としてのスプレッドシート

自動化の起点としてのスプレッドシート

トリガーの設計

自動化において重要なのは「何をきっかけに処理を開始するか」というトリガーの設計です。

これ、料理に例えるとわかりやすくて。例えば「玉ねぎが透き通ったら次の具材を入れる」というのは料理のトリガーですよね。自動化も同じで「こうなったら次の処理を始める」という条件を明確にしておく必要があります。

Room8での自動化構想としては、Googleフォームの送信をトリガーにして処理を開始する予定です。つまり、お客さんがフォームに入力した瞬間に自動処理が始まるイメージです。具体的には以下のようなフローを考えています:

  1. Googleフォーム送信(自動的にスプレッドシートに保存)
  2. フォーム送信をトリガーにGASスクリプトが起動
  3. 処理ステータスを「処理中」に変更
  4. AIに情報を渡して支払方法などに応じた処理分岐
  5. 処理完了後、ステータスを「完了」に変更

この流れをGASとAIを組み合わせて構築することで、「申込があった」という事実だけを確認すれば、あとは自動的に処理が進む仕組みを目指しています。まるで、ドミノ倒しの最初の一枚を倒すだけで、後は勝手に全部倒れていくような感じですね。

僕がこだわっているのは「確認作業」も自動化すること。よくある自動化システムだと「処理されました」で終わり、何が処理されたのかを確認するのも一苦労だったりします。それじゃあ、自動化した意味が半減しちゃうんですよね。

分岐ポイントの明確化

自動化において難しいのが、条件分岐の設計です。Room8では、かなり複雑な分岐ポイントがあります。

  1. 支払方法による分岐
    • クレジットカード → Stripe API連携
    • 請求書払い → Misoca API連携
    • 口座振替 → Paid API連携
  2. プランによる分岐
    • デイタイム、ナイト、フルタイム、専用デスク、その他多数のプラン
    • 各プランごとの料金計算や特典
  3. 割引条件による分岐
    • 長期契約割引(20%OFF)
    • 年一括払い割引(30%OFF)
    • その他キャンペーン割引

ぶっちゃけ、これらの処理を僕が手動でやるのはそれほど大変ではないんです。「○○プランの長期でクレカ払いね」という感じで登録するだけですからね。

実は以前、これをスクリプトで自動化しようとしたんですが、条件分岐のロジックを書くのが面倒で挫折したという黒歴史があります。「if A then B else if C then D…」みたいなコードを書いていたら、すぐに迷宮入りしてしまったんですよね。
まあこれがクライアントからの依頼であればお金になるので作るのですが、自分の所のシステムだと「手動でいいや!」ってなるんですよね。

ところが、AIの登場でこの状況が変わりそうなんです。AIは人間と同じように「これはこういうケースだから、こう処理すればいいか」という判断ができる。つまり、複雑なロジックをプログラミング言語で表現する必要がなく、自然言語で指示できるんです。

条件分岐って、まるで「人生ゲーム」の分かれ道みたいなものです。どの道を選ぶかで、その後の展開が大きく変わる。従来のプログラミングだと、その全ての道を明示的に記述する必要がありました。でもAIなら、「次はどの道に行けばいい?」と聞けば答えてくれる。これが革命的なんですよね。

こうした分岐をスプレッドシート上で明確にしておくことで、AIによる自動判断の精度を高めることができます。次回紹介する「AIによるプラン判定」も、この分岐設計があってこそ成り立つものなんですよ。

各SaaSとの連携予定

Stripe連携の方針

クレジットカード決済を選択したユーザーには、Stripe APIを通じた自動請求と登録を行う予定です。

具体的には、スプレッドシートのデータを元に、以下の処理を自動化します。

  1. 顧客情報の登録(Customer作成)
  2. 入会金の請求(一度きりの支払い)
  3. 月額プランの登録(サブスクリプション)
  4. 請求・支払い状況のスプレッドシートへの反映

「APIを通じた連携」というと難しそうに聞こえますが、実はそれほど複雑なことはしていません。例えるなら、Stripeという店員さんに「この人の情報を登録して、この金額で請求書を出してね」とメモを渡すようなものです。

これまでは僕がStripeの管理画面から手作業で登録していたのですが、それをAIに「この情報でStripeに登録しておいて」とお願いするだけで済むようにしたいんです。まるで優秀な秘書を雇ったような感覚ですね。

Misoca・Paid・freeeとの接続

同様に、他の支払方法を選択したユーザーに対しても、各SaaSとの連携を進めます。

  • Misoca:請求書の自動作成と送付
  • Paid:口座振替登録の自動化
  • freee:入金確認と仕訳の自動処理

これらのAPIは仕様が異なるため、スプレッドシートからの情報の受け渡し方法も個別に設計する必要があります。ただ、基本的な考え方は同じで「AIさん、このデータを〇〇に登録しておいて」というタスク依頼型になります。

特に頭を悩ませているのが、freeeとの連携です。会計処理って意外と複雑で、「この入金はあの請求に対するものだ」という紐付けが必要になります。でも、AIならその辺りの判断もできると期待しているんです。

とは言え、APIというのは「各サービスの解釈の仕方」が違うので、完全な自動化までは紆余曲折あるかもしれません。まるで言葉の違う外国人同士の会話のようなもので、時々「何言ってるかわからない」状態になることもあります。その辺りのトラブルシューティングも含めて、今後の記事で詳しくお伝えしていく予定です。

次回予告:AIによるプラン判定

次回は、このスプレッドシートのデータを活用した「AIによるプラン判定システム」についてお話しします。

Room8には複数のプランがあり、お客さんのニーズに合わせた最適なプランを提案する必要があります。「フルタイムで使いたい」と言ってくる方もいれば、「週に1回程度」という方もいて、それぞれに合ったプランをご案内する必要があります。

今までは僕の頭の中で「この人はこのプランが合ってそうだな」と判断していたわけですが、これをAIに任せられないか?というのが次回のテーマです。

具体的には、ChatGPT APIを活用し、申込内容から最適なプランを判定するシステムを構築中です。「週3日程度の利用」というニーズから「デイタイムプランが最適」と判断したり、「商談利用が多い」という情報から「会議室パックの追加」を提案したり。

でも、なんでそんなことをするのか?というと、別に僕がプラン判断するのが面倒だからじゃないんです(まあ、少しはそれもありますが)。

本当の理由は「自分以外の誰かでも同じ判断ができるようにしたい」ということ。僕が風邪で寝込んでも、AIが適切なプラン提案をしてくれれば、業務が止まることはありません。これは「一人でも事業を回せる仕組み」を作る上で、とても重要なポイントなんです。

AIによる判定の仕組みや、実際のプロンプト設計など、実践的な内容をお届けする予定なので、ぜひお楽しみに!

まとめ:シンプルだからこそ強い基盤設計

今回は、Room8のDX化における中核となるスプレッドシートの設計思想についてご紹介しました。

一見すると「ただのスプレッドシート」ですが、適切に設計することで、複雑な業務フローの中心となる強力なツールになります。特に一人で事業を運営する場合、「シンプルで管理しやすい」という点は何よりも重要です。

最近「DX化」っていうと、なんだか難しいシステムを導入して、専門家に依頼して…というイメージがあると思います。でも実は、身近なツールをちょっと工夫して使うだけでも、十分な効果を得られることが多いんです。

僕が目指しているのは「一人でも回せる」仕組みづくり。だからこそ、「自分で理解できる」「自分でメンテナンスできる」という点を重視しています。Googleスプレッドシートはそんな要望にぴったりのツールなんです。

DX化は、必ずしも複雑なシステムを導入することではありません。むしろ「単純化+自動化」によって、人間の負担を減らすことこそが本質です。

次回の「AIによるプラン判定」もお楽しみに!

それでは、また次回!

この記事を書いた人

コワーキングスペース 代表 鶴田 賢太

「AI系」起業アドバイザー 鶴田賢太です
春日井・名古屋で コワーキングスペース「Room8」 を運営しながら、起業家をサポートしています。

もともとは 簿記1級 から始まり、ITエンジニア、マーケティング、補助金、財務相談と、いろんな分野を経験してきました。でも、これからの時代は AI。今は 生成AI(ChatGPT・Claude・Geminiなど)を駆使して、起業を加速させる方法 を探求しています。

Webサイト制作は 100社以上、SEO対策も得意。補助金申請も 15回以上サポート してきました。けど、これからは AIをどう活用するかが、起業の成否を分ける 時代。Room8では、AI活用の相談も大歓迎です。

このブログでは、AI・IT・マーケ・補助金 など、起業に役立つ情報を発信していきます。AIを武器にしたい人、ぜひRoom8に遊びに来てください!