こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
今回の記事では、個人事業主や中小企業のオーナーの皆さんが、自分が提供できる価値をどのように一貫して打ち出し、顧客に強い印象を与えるかというブランディング戦略について考えます。業種や専門分野を問わず、どんな仕事でも「どれでもできる」状態は、結果として自分の個性や強みがぼやけ、顧客に覚えてもらいにくくなります。
ブランディングの本質は、あなたが提供できる価値を明確にし、その中から一つの方向性(または主要な軸と補完的な要素)を選び出して、一貫した印象を作り上げることにあります。この記事では、たとえばグラフィックデザイナーの事例を例に、12のブランドアーキタイプの中からどのように自分に最適な方向性を選び、打ち出すかを解説します。これにより、あなた自身の強みや提供価値をターゲットに伝える効果的なブランディング戦略を見つけるヒントが得られるでしょう。
それでは、一緒にあなたのブランド価値を明確にし、顧客に選ばれるための戦略を探っていきましょう!
なぜブランディングが必要なのか?

例えば、グラフィックデザイナーで説明をすると、多くのプロのデザイナーは、幅広い案件に対応できるスキルを持っています。しかし、その状態「何でもできる」って強みがぼやけ、顧客に強い印象を与えることが難しくなります。
- 差別化の必要性:
個人事業主は自ら案件を獲得する必要があり、サラリーマンのように上からプロジェクトが与えられるわけではありません。
そのため、自分が提供できる価値を明確にし、どんなデザインが「自分ならでは」なのかを一貫して伝えることが重要です。 - 一貫した印象の形成:
多様なスタイルを作り出すことができても、ターゲットとなる顧客に対して一貫したブランディングがなければ、印象に残りにくくなります。
例えば、革新的なデザインを得意とするデザイナー、実用的で親しみやすいデザインを提供するデザイナー、力強いメッセージを込めたデザインを提案するデザイナーなど、どの方向性を選ぶかで、顧客の認識は大きく変わります。 - ブランド価値の明確化:
ブランディングは、ただデザインができるという実力だけでなく、「自分がどんな価値を提供できるか」をターゲットに伝えるための戦略です。
一つの方向性(または、主要な軸と補完的な要素の組み合わせ)を選び出すことで、顧客に覚えてもらいやすい、強固なブランドイメージを作り上げることができます。
ちなみに一つに絞って進むとその方面のスキルも上がるのでより尖ることが出来ます!
グラフィックデザイナーの顧客ニーズの多様性

グラフィックデザインの仕事では、顧客の求めるものが非常に多様です。あるクライアントは信頼性の高い実用的なデザインを求める一方、別のクライアントは革新的で斬新なアイデアを期待する場合もあります。また、温かみや親しみやすさを重視する顧客、あるいは強いメッセージ性やインパクトを欲する顧客も存在します。
- 実用性重視:
落ち着いたトーンと信頼感を与えるデザイン。
(例:企業のコーポレートサイトや日常的な商品パッケージ) - 革新性重視:
新しい視点やアイデアで従来の常識を覆す、独自性のあるデザイン。
(例:スタートアップのブランディングや先進的なプロジェクト) - 親しみやすさ重視:
温かみや安心感を感じさせる、誰にでも受け入れられるデザイン。
(例:地域密着型のイベントやプロモーション) - 訴求力重視:
強いメッセージとインパクトを持ち、消費者の心に残るデザイン。
(例:キャンペーン広告やブランドストーリーを伝えるビジュアル)
このように、デザイナーは多様な顧客ニーズに対応する必要がありますが、全てに幅広く対応するのではなく、どの方向性に特化するかを明確にすることで、より一貫した印象を顧客に与えることができます。さらに、一つに絞って進むことで、その分野のスキルも磨かれ、結果として尖った魅力的なブランドイメージを築くことができるのです。
12のブランドアーキタイプをグラフィックデザイナーの事例で解説

グラフィックデザイナーとして活動する場合でも、どんな案件にも柔軟に対応できる一方で、どの方向性で自分の強みを打ち出すかが重要です。ここでは、12のブランドアーキタイプそれぞれが、どのようなデザイン戦略として活かされるかを簡潔に説明します。
- 幼子(Innocent)
純粋さやシンプルさを前面に出し、明るくクリアなデザインで安心感を提供。例えば、ナチュラルな色使いやシンプルなレイアウトで、柔らかい印象を演出します。 - 普通の人(Everyman)
誰にでも親しみやすい、実用的で現実感のあるデザイン。日常的な用途に合う、温かみと信頼感を重視したスタイルが特徴です。 - 英雄(Hero)
力強く挑戦的なデザインで、問題解決や成功を象徴。大胆なビジュアルとダイナミックなレイアウトで、受注案件での実績やチャレンジ精神をアピールします。 - 援助者(Caregiver)
顧客をサポートし、安心感を与える温かいデザイン。落ち着いた色合いと優しいフォントを用い、信頼性と親しみやすさを強調します。 - 探求者(Explorer)
新しい発見や冒険心を感じさせる、実験的で革新的なデザイン。従来の枠を超えた斬新なアイデアやレイアウトで、個性を表現します。 - 破壊者(Destroyer)
既存の常識を打破するエッジの効いたデザイン。あえて挑戦的なビジュアルやアンコンベンショナルなレイアウトを採用し、インパクトを狙います。 - 求愛者(Lover)
美しさと情熱を伝える、エレガントで感情豊かなデザイン。洗練されたタイポグラフィと柔らかな色彩で、感性に訴える印象を与えます。 - 創造者(Creator)
独自の発想と革新的な表現を追求するデザイン。斬新なカラーパレット、ユニークなレイアウト、そして創造的なアイデアのプロセスを前面に出して、他との差別化を図ります。 - 統治者(Ruler)
高いプロフェッショナリズムと権威を感じさせる、洗練されたデザイン。堅実なレイアウトとシックな色調で、信頼性や組織力を印象付けます。 - 魔術師(Magician)
視覚的な驚きと変革をもたらす、幻想的で独創的なデザイン。非日常的なビジュアル要素や、変化を感じさせる演出で、見る人に新たな発見を促します。 - 賢者(Sage)
深い知識と洞察力を表現する、理論的かつ明快なデザイン。分かりやすいインフォグラフィックや、整理されたレイアウトで、専門性と信頼感をアピールします。 - 道化(Jester)
ユーモアと遊び心を前面に出し、楽しく印象に残るデザイン。明るい色使いや楽しいイラスト、気軽なトーンで、エンターテインメント性を強調します。
どのアーキタイプを選ぶかは、あなたが提供できる価値やターゲットに最も響く方向性に合わせることが大切です。同じグラフィックデザイナーでも、これらのアーキタイプによって打ち出す印象は大きく変わります。もちろん、どのスタイルも制作可能ですが、一つ(またはプライマリーとセカンダリーの組み合わせ)に絞ることで、その分スキルも磨かれ、顧客により一貫した強い印象を与えることができます。
まとめ
この記事では、個人事業主として活動する際に重要なブランディング戦略について解説しました。
特に、グラフィックデザイナーを例に、以下のポイントを整理しています。
- ブランディングの必要性:
どんな案件にも対応できる柔軟性がある一方で、印象がぼやけやすい現状から、自分が提供できる価値を明確に伝えることが差別化の鍵となります。 - 顧客ニーズの多様性:
定番の実用的なデザイン、革新的なデザイン、親しみやすさや訴求力重視のデザインなど、顧客が求める方向性はさまざま。
その中で、一つの方向性に絞ることで、より強い印象と専門性が生まれます。 - 12のブランドアーキタイプの活用:
同じグラフィックデザイナーでも、創造者、破壊者、賢者、普通の人など、選ぶアーキタイプによって打ち出し方が大きく変わります。
自分の強みとターゲットに合致したアーキタイプを選び、一貫して発信することが、顧客に覚えてもらえるブランド構築につながります。
さらに、一つに絞って進むことで、その分野のスキルも向上し、より尖った魅力的なブランドイメージを確立できる点も重要です。
これらの考えを参考に、ぜひあなた自身のブランディング戦略を再構築し、顧客に選ばれる強いブランドを作り上げてください!