こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
今回は、ブランドアーキタイプ戦略を実践する中で、個人事業主が陥りやすい失敗とその対策についてお話しします。多くの事業者は、自分の提供できる価値を一貫して伝えるためにブランディングを試みるものの、方向性があいまいになったり、メッセージがブレたりすることで、顧客に強い印象を与えられないという課題に直面しています。
この記事では、まず、よく見られる典型的な失敗例とその背景を整理し、なぜそれらが起こるのかを明らかにします。その上で、具体的な対策方法を解説し、一つの方向性に絞ったブランディング戦略がいかに効果的かを探っていきます。
ぜひ、最後までご覧いただき、あなた自身のブランディング戦略の改善にお役立てください!
1. よくある失敗例
個人事業主としてブランドアーキタイプ戦略に取り組むとき、僕自身も何度も壁にぶつかってきました。実は、やりすぎたり、柔軟に対応しすぎたりして、自分の強みがぼやけてしまうことが多いんです。ここでは、僕が実際に感じた「よくある失敗例」と、その背景について、少し率直な意見を交えながら解説します。
1.1. アーキタイプの選択があいまい
正直なところ、僕たちは「何でもできる」柔軟性を持っているからこそ、ついつい複数のアーキタイプを同時に取り入れてしまいがちです。しかし、そうすると、どれが自分の本当の強みなのかが分からなくなってしまいます。自分がどんな価値を提供できるか、そしてどんな顧客に響いてほしいかを明確にしないまま、いろいろ試そうとすると、結果的にブランドの核がぼやけてしまうんです。
1.2. ブランドメッセージのブレ
僕も事業をしていて、SNSやウェブサイトで発信する内容が日によってバラバラになってしまった経験があります。最初は「幅広く対応できる」ことがアピールポイントだと思っていたのですが、実際には一貫性がないと顧客に覚えてもらえません。毎回違うメッセージだと、どこに軸があるのか伝わらず、信頼感も薄れてしまうんですよね。
1.3. 顧客ニーズへの対応
例えば、Room8のメインターゲットは起業家の方々です。しかし、問い合わせは様々な方向から寄せられます。起業したいという方もいれば、「静かに勉強できるスペースを探している」という学生さんからの問い合わせもあります。
Room8は、賢者(Sage)のアーキタイプを基軸に、起業家の方々に役立つ情報や環境を提供するブランディングを行っています。もし学生さん向けのサービスも同時に狙ってしまうと、ブランドの軸がぼやけ、本来のターゲットである起業家の方々に対する信頼感が損なわれる恐れがあります。
つまり、全てのニーズに応えようとするのではなく、自分たちが本当に提供したい価値を明確にし、それに共感する顧客だけをターゲットにする覚悟が大切なのです。その為に学生さんが来なくなる覚悟をしつつ
以上のような失敗例を踏まえ、次のセクションでは、どうすればこれらの課題を克服し、一貫したブランド戦略を構築できるのか、具体的な対策方法についてお話しします。僕自身の経験も交えながら、ぜひ参考にしていただければと思います。
2. 失敗の背景や課題の詳細

流行に流される
短期的なトレンドに飛びつくのは手軽ですが、その結果、本当に大切にすべき自分の核となる価値が薄れてしまうことがあります。市場は常に変動しており、今ホットな流行に合わせるのは魅力的ですが、それはあくまで一過性のもの。流行に左右されると、長期的なブランドとしての一貫性が保てず、顧客に「このブランドは何を大切にしているのか?」と疑問を持たせるリスクが高まります。
自己理解不足
自己理解が不足していると、自分の強みや提供できる価値が明確にならず、適切なブランドアーキタイプを選ぶことが難しくなります。十分な内省や自己分析を怠ると、アーキタイプの選択に迷いが生じ、結果としてブランドメッセージがぶれてしまいます。これにより、顧客との信頼関係が築けず、期待と実際のサービスとのギャップが生まれてしまうのです。
このような背景には、現代社会の情報過多や、流行に敏感になりすぎる傾向が影響しています。ブランドアーキタイプ戦略を成功させるためには、短期的なトレンドに惑わされず、自分の核となる価値をしっかりと見極め、その価値に基づいた一貫したブランディングを実践することが不可欠です。
3. 対策と成功への道筋

ブランドアーキタイプ戦略で失敗を避け、自分の核となる価値を貫くためには、明確な対策が必要です。ここでは、僕自身の経験をもとに、具体的な方法を紹介します。
3.1. 自己分析とペルソナ設定
個人事業者は、リソースが限られているため大規模な市場調査は難しいですが、まずは自分自身の強みや提供できる価値を徹底的に分析することが不可欠です。過去の成功事例やフィードバックを振り返り、自分が何を得意としているのか、どんな価値を届けられるのかを明確にします。その上で、自分の価値に共感してくれる理想の顧客―つまり「ペルソナ」を設定することが、戦略を生きたものにします。
3.2. ターゲットに共感する顧客の選別
自分のブランドの核を守るためには、全てのニーズに応えようとするのではなく、本当に届けたい価値に共鳴する顧客に絞る覚悟が必要です。たとえば、Room8は起業家向けに価値を提供するスペースとしてブランディングしています。もし、学生向けの要望にも無理に対応してしまうと、本来のターゲットである起業家の信頼を損ねる恐れがあります。自分が提供したい価値を明確に打ち出し、それに共感する顧客だけを選ぶことで、ブランドの一貫性と強みが際立ちます。
ちなみに知り合いのコワーキングスペースは、「セミナをやりたい人・セミナーを受けたい人」にターゲットを絞っています。つまり隣でセミナーがいつも開催されていて仕事はしづらいと言う声もよく聞きます。
でも、「セミナをやりたい人・セミナーを受けたい人」には最適な場所であり人が集まってきます。
3.3. 長期的な視点での戦略構築と定期的な見直し
短期的なトレンドに惑わされず、ペルソナ設定に基づいた長期的なブランド戦略を構築することも重要です。市場は常に変化しますが、一貫したメッセージを保つことで、顧客に「このブランドは何を大切にしているのか?」という明確な印象を与えられます。また、定期的に戦略を見直し、必要に応じて微調整を行う仕組みを整えることで、長期にわたって強いブランドを維持することができます。
トレンドを取り入れる場合でもあくまでもブランドを崩さないように取り入れると良いと思います。
これらの対策を実践することで、自分の核となる価値を最大限に活かし、ターゲットに共感される一貫したブランドを築くことができるはずです。
まとめ
今回の記事では、ブランドアーキタイプ戦略における失敗例と、その背景、そして具体的な対策についてお話ししました。ここで大切なのは、短期的な流行に惑わされず、自分の核となる価値を明確にし、その価値に共感する顧客だけをターゲットにすることです。
- 失敗例:
- アーキタイプの選択があいまいになると、ブランドの核がぼやける
- ブランドメッセージが日々変わると、一貫性が失われ、信頼が低下する
- 顧客の多様なニーズに無理に対応しすぎると、本来のターゲットからの支持が得られなくなる
- 背景:
- 流行に敏感な現代では、短期的なトレンドに合わせる誘惑がある
- 自己分析が不足していると、自分の強みが見失われがち
- 対策:
- 自己分析を徹底し、理想の顧客像(ペルソナ)を明確に設定する
- ターゲットに合わせるのではなく、自分の軸に共感する顧客だけを選ぶ覚悟を持つ
- 長期的な視点でブランド戦略を構築し、定期的に見直す
最終的に、ブランドアーキタイプ戦略は「自分が本当に提供できる価値」を貫くための強力なツールです。すべてのニーズに応えようとするのではなく、自分の核をしっかりと保ち、それに共鳴する顧客と強い信頼関係を築くことが、長期的な成功につながります。
皆さんも、ぜひ自分のブランドの核となる価値を見極め、ブランディング戦略を実践してみてください!