こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
「AIってどう使うんですか?」と聞かれる回数が、明らかに増えてきました。
つまり──みんな“AIってすごいらしい”までは分かってるけど、使い道が分かってない。
結果、僕が“AIコンサルっぽい何か”として呼ばれる場面が増えてきたわけです。
で、先日もクライアントにこう聞かれました。
「Apple Intelligenceって、やばいらしいですね!もう使いました?」
うん。たしかに、そう言われてる。
でも、実際に使ってみた僕の感想はこう。
「……で、何が“やばい”の?」
ごめん、盛り下げるつもりはない。けど正直、
「すごそうに見えるけど、今のところ別に驚きは無かった」ってのが本音。
Apple Intelligence──
名前は“賢そう”だけど、現時点では「賢そうに振る舞ってるだけのAI」という印象すらある。
このブログでは、AIを仕事でガチ活用している僕が、
Apple Intelligenceを触ってみたけど“やばいとは感じなかった理由”を、
遠慮なく、毒をまぶしながら語っていこうと思う。
「Apple信者が怒るかも?」
そんな心配も、正直してない。だってこれ、Appleが“まだ本気出してない”からなんだよ。
Apple Intelligenceって何ができるの?──“分かりやすくて分かりにくい”機能紹介

Appleが鳴り物入りで発表した「Apple Intelligence(アップル・インテリジェンス)」。
ニュースや解説記事では、
- 「プライバシーを守るローカルAIです」
- 「画像生成や文章の要約もできます」
- 「Siriが進化してます!」
──みたいなことが並んでるけど、
それを見て僕が思ったのは、
「つまり、今まで他社AIでやってたことを、Appleでもやれるようになったってことね?」
というごく冷静な感想。
一応、代表的な機能はこんな感じ👇
✍️ 主な機能一覧(期待値フィルター付き)
機能名 | 内容 | 一言で言うと |
---|---|---|
作文ツール | テキストの構成、書き直し、要約、表変換など | ChatGPTでやってたやつ、純正アプリでできるように |
Siri強化 | 複数命令対応、自然言語理解向上 | 話しかける勇気があれば便利かも |
ボイスメモ要約 | 音声→文字起こし→要約まで | 会議録を読むのが面倒な人向け |
Magic Wand | 手書きラフをイラスト化 | 絵心ゼロでも見た目はごまかせる(商用不可) |
Playground | テキストから画像生成 | Midjourneyを”ものすごく優しくした版” |
Genmoji | テキストから絵文字を生成 | 可愛い。でもLINEでは使えない謎仕様 |
通知/メール要約 | 長文通知やメールを短く表示 | 忙しいふりしてる人に優しい機能 |
確かに、こう並べると「便利そう」には見える。
でも実際に使ってみると、どこか物足りないんですよ。
機能的には“ChatGPTやNotion AIでもう体験済み”なことが多くて、
「先に知ってた未来が、Apple製に置き換わっただけ」って感覚になる。
いや、Apple製が悪いって話じゃなくて、
「それを“やばい”って言われても…」っていう温度差があるってこと。
「やばい」とは感じなかった5つの理由

Apple Intelligenceを使ってみて、たしかに「ちゃんと動く」し、「綺麗にまとめてくれる」んですよ。
でも──感情が動かない。ワクワクしない。
これはもう、“やばい”じゃなくて“やってる感”の領域。
その理由、冷静に5つにまとめました。
✅ 1. プライバシー重視? 僕は“気持ち悪さ”を感じるタイプじゃない
Appleが「AI処理はすべて端末内で完結します!」「データはサーバーに送信しません!」と大アピールしてるのを見て、
たしかにそれはそれで“技術的には”すごいことだと思う。
でもそれを「すごい、安心!」と受け取る人って、たぶんこういうタイプなんですよね。
「なんとなく見られてるのが不快」
「分析されてる気がして気持ち悪い」
「自分の行動が上手く利用されてるのが癪に障る」
つまり、“実害があるかどうか”じゃなくて、“知られてる感じそのものが嫌”っていう感性。
でも僕は、その感覚をほとんど持っていない。
「分析したければどうぞ。むしろ、精度高めてもっと便利にして」
っていうスタンス。
もちろん、クレジットカードを勝手に使われるとか、明らかに悪用されるなら話は別。
でも「Siriが勝手に僕のメモから予定を読み取ってカレンダーに追加」とかなら、むしろ歓迎です。
だから正直、Appleが一番アピールしている「プライバシーが守れる」ってポイントは、僕にとってはあまり刺さらない“推しポイント”だったというわけです。
✅ 2. 純正アプリ以外で機能しない世界、狭すぎない?
「メモアプリで要約できます!」「Safariで記事を整理できます!」
……うん、それ、僕はNotionやObsidianやChrome使ってるんだよね。
Apple製品フル装備してる僕ですら、「純正アプリ限定」は不便に感じる。
ChatGPTやZapierはどのアプリでも“こっちの環境”に合わせて動いてくれる。
それに比べてApple Intelligenceは、“俺に合わせろ”感が強すぎる。
✅ 3. 僕はMac作業メイン──だから“今のAI革命”は蚊帳の外
Apple Intelligenceのメイン舞台は、iPadとiPhone。
でも僕は、文章も資料もコードも全部Macで完結してる。
だから「iPadがAIに強くなった!」って話は、正直、他人事。
で、「そのうちMacにも来るよ」って声も聞くけど──
来るだけじゃ足りないんですよ。
だって僕はもう、ChatGPTで2年以上、AIとの共存生活を送ってる。
すでに日常のあちこちでAIを使ってるし、Slackの返信も、提案書の骨子も、全部AIと一緒にやってる。
だからただMac上にApple製のAIが来るだけじゃ、
「ふーん。で、何ができるの?」 になる。
Apple Intelligenceが“追いつく”だけなら、驚きはない。
AIエージェントレベルで「こちらの意図を先回りして動いてくれる」くらいの未来が来ないと、
今さら感・後発感を超えてこない。
✅ 4. Siriが進化? 話しかけること自体がちょっと恥ずかしいんよ
たしかにSiriは良くなった。複数命令もOK、聞き返しも減った。
でも僕にとっての問題は“技術”じゃなく“場所”だ。
普通に仕事しながら「明日の会議、9時にリマインドして」って、口に出せる?
無理。恥ずかしい。
せめてテレパシー対応(ブレインインターフェース)してから出直してきて欲しい。
✅ 5. 画像生成、楽しいけど“既に上には上がいる”
Magic Wandで手描きの絵がイラストになる。Playgroundでウサギが生成される。
Genmojiでオリジナル絵文字も作れる。
……全部、楽しい。けど、“使える”とはまた別。
- 商用利用? 明記されてないので怖い。
- クオリティ? MidjourneyやDALL·Eに全然届いてない。
- カスタマイズ性? 選択式でプロンプト自由度ほぼゼロ。
遊びにはなるけど、実戦で使うには頼りない。
✅ 5. 画像生成、楽しいけど“既に上には上がいる”
Magic Wandで手描きの絵がイラストになる。Playgroundでウサギが生成される。
Genmojiでオリジナル絵文字も作れる。
……全部、楽しい。けど、“使える”とはまた別。
- 商用利用? 明確にNGとまでは書かれてないが、β版での利用&個人使用前提。つまり、アウト寄り。
- クオリティ? MidjourneyやDALL·Eには届かない。
- カスタマイズ性? 選択式で、プロンプトの自由度はほぼゼロ。
「初めて画像生成に触れる人」には入り口としていいけど、
“実務で使う”ことを考えると、物足りなさしか残らない。
Midjourneyなら「商用OK・高品質・狂ったように自由」だし、
DALL·EはChatGPT内で即座に画像編集もできる。
Appleの画像生成は、“デジタルお絵かき帳”としては優秀だけど、“仕事道具”としてはまだ幼稚園児。
とはいえ、Appleが狙ってる未来は“ちゃんと見える”

ここまでApple Intelligenceに対して、
「便利だけど“やばい”とまでは感じない」という話をしてきたけど──
それでもやっぱり、Appleが描こうとしてる未来像は、はっきり見えてる。
🧠 Appleが本気でやろうとしてるのは「AIをOSに溶け込ませる」こと
多くのAIサービスが「ブラウザ上で動く便利なツール」で止まってる中で、
Appleは最初から「デバイスと一体化したパーソナルAI」を目指してる。
- テキストの書き換え
- メールや通知の要約
- 写真編集や画像生成
- Siriによるマルチ操作
これらを“気づかないうちに、裏でやっておく”というのがApple流。
UIが一切邪魔しない。通知にAI、メモにAI、写真にAI。
ユーザーはただ“いつもの操作”をしてるだけで、裏ではAIが勝手に気を利かせてる──
この設計思想は、正直うまい。
📉 でも、現時点では“見えてるだけ”で、届いてはいない
- 機能は限られてる(純正アプリ中心)
- 端末依存が強い(M1以上)
- ベータ版で不安定
- 商用利用や業務適用の視点ではまだまだ
つまり、「方向性はいい、でも完成度が足りない」。
現段階のApple Intelligenceは、言うなれば──
「建築家が未来都市の図面を机に広げてるだけ」みたいな状態。
設計図はカッコいい。でもその街、まだ影も形もない。
🚀 そして本当に“OS操作レベルのAI”が来るなら──僕はそっちを待ちたい
僕がAppleに本気で期待したいのは、たとえばこういうこと:
- 「銀行にログインして、○○円振り込んどいて」
- 「○時になったらこのアプリ再起動して」
- 「この文章、WordPressにアップして、Xにも投稿しといて」
こういう、OSに溶け込んで実行してくれるAIが来たら、それはたしかに“やばい”。
🤖 ……でも現実は、そこに踏み込めるのはAppleじゃないかもしれない
Appleのような大企業には、
プライバシー、セキュリティ、法規制、株主の目、社会的な慎重さという壁がある。
だから、実際にこの“OS制御AI”を先に出すのは──
中国系の企業か、もしくはコンプラをギリ無視できるベンチャーかもしれない。
彼らが「便利だろ?じゃあやるよ」で実装し、
それが広がって「当たり前」になって、
ようやくAppleが動き出す──そういう構図になりそうな気がしてる。
世の中は「倫理的に正しいから広がる」んじゃなくて、
「もうみんな使ってるから仕方ない」って理由で変わっていく。
Zoomもそうだったし、スマホの位置情報追跡もそうだった。
Appleが“慎重に整えた技術”を出すより、
まず誰かがぶっ壊して、広げて、炎上して、正当化してくれないと進めない。
大手って、そういう宿命なんですよね。
まとめ:Apple Intelligenceは、“整った未来”の入口にすぎない
Apple Intelligenceを使ってみて、「これはすごい!」と素直に思えなかったのは、僕が日頃からChatGPTやMidjourneyを使って、すでに“その先”の便利さを知ってしまっているからだと思う。
- 機能の幅は限定的
- できることも“先に知ってた”ものが多い
- やりたいことの“核心”までは、まだ踏み込めていない
でも、Appleが見据えている未来──
OSレベルで動くパーソナルAIの完成形は、間違いなく革新的になる可能性がある。
問題は、それが「今じゃない」ということだけ。
むしろ先に踏み込むのは、規制もコンプラも空気も気にしない勢。
中華系、ベンチャー、スタートアップ──
彼らが既成事実で壁を壊したあとで、
Appleが“安全で美しい形”にして出してくる。
それがAppleのスタイルであり、ある意味では役割なんだと思う。
でも、ふと考えることがある。
もし、“IBMと戦ったあの頃のジョブズ”が今のAppleにいたら──
「Siri、今すぐこのMacを再起動して、3分後にこのプレゼンを自動で流して」
そんな一言で、会議も、デバイスも、時代さえも動かしていたかもしれない。
Apple Intelligenceは、“ジョブズ的な狂気”が抜けたあとの、
整っていて、慎重で、でもちょっとだけ退屈な未来の入口なんだと思う。
なので、僕はこう思ってます。
今すぐ飛びつく必要はない。
でも、数年後に「あ、いつの間にか便利になってる」って気づいた時、
それがAppleの本領発揮の瞬間なんだろうな、と。
それまでは、ChatGPTやZapierと一緒に“先に未来を生きておく”のが賢い。
🎯 感想や質問は、ぜひRoom8のブログやNoteでも受け付けています!
次回は、また違う切り口で“AIの今”を解剖していきます。
お楽しみに。