こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
最近、商工会でAIセミナーの講師を務めることになり、改めて「小規模企業でのAI活用」について深く考える機会がありました。その中で気づいたことを、今回はみなさんにもお伝えしていきたいと思います。
「AIって難しそう…」
「うちみたいな小さな会社に必要なのかな?」
「導入するのにお金がかかりそう…」
実は、コワーキングスペースを運営している中で、多くの経営者の方からこんな声を聞きます。確かに、ニュースなどで話題になるAIは、大企業での活用事例ばかり。でも、僕は逆だと思うんです。
今、AIを最も活用すべきは、実は小規模企業なんです。
なぜなら、私たち小規模企業には「人手が限られている」「1人で複数の業務をこなさないといけない」「専門家に相談する予算が限られている」といった課題があるからです。
実際、僕自身もコワーキングスペースの運営で、日々AIを活用しています。メールの文面作成、企画書の下書き、SNSの投稿文、さらにはイベント企画のアイデア出しまで。本当に様々な場面で、AIは僕の強力な「相棒」として働いてくれています。
この記事では、小規模企業の経営者やスタッフの方に向けて、明日からすぐに始められるAI活用法をご紹介します。難しい技術的な話は抜きにして、実践的な活用例を中心にお伝えしていきますね。
それでは、まずは小規模企業がAIを活用するメリットから、具体的に見ていきましょう。
小規模企業でのAI活用のメリット

小規模企業がAIを活用すると、どんなメリットがあるのでしょうか?
実は、僕が日々AIを使う中で感じているのは、大企業よりも小規模企業の方が、むしろAIの恩恵を受けやすいということです。その理由を具体的に見ていきましょう。
1. 時間の有効活用ができる
小規模企業の最大の課題の一つが「時間が足りない」ということではないでしょうか。経営者である僕たちは、経営戦略を考えながら、同時に日々の業務もこなさなければなりません。
AIは、特に以下のような定型業務を効率化してくれます:
- メールの返信文作成
- 議事録のまとめ
- 企画書の下書き
- SNSの投稿文作成
例えば、お客様へのメール返信。以前は適切な言い回しを考えるのに悩む時間がありましたが、今は伝えたいポイントを箇条書きで整理して、それをAIに「適切なメールの文章にして」とお願いするだけ。悩む時間が減り、スムーズに返信できるようになりました。
2. 経営者の「参謀」として機能する
「この商品、もっと魅力的に紹介できないかな…」
「新しいサービス、どんな方向性で攻めていこう…」
「この判断、違う角度からも考えてみたいな…」
大企業なら、経営会議で様々な意見が飛び交い、専門家チームに相談することもできます。でも、私たち小規模企業の経営者は、多くの判断を限られたリソースの中で行わなければなりません。
そんな時、AIは心強い参謀(軍師)として機能してくれます。
経営判断に必要な様々な視点を提供してくれ、新しいアイデアのヒントもくれる。もちろん、最終的な判断は経営者である私たちが行いますが、より多角的な視点で物事を検討できるようになりました。
まさに、頭脳を拡張してくれる「参謀」のような存在です。経営における様々な判断や企画において、より広い視野で考えを整理し、新しい可能性を探るサポートをしてくれます。
3. 幅広い分野の知識サポートが得られる
皆さんは、それぞれの分野のプロフェッショナルだと思います。製造、小売、サービス業など、それぞれの専門分野で深い知識と経験をお持ちのはずです。
ただ、経営というのは多面的です。会計、法律、マーケティング、人事…様々な知識が必要になってきます。
ここでAIの特徴的な強みが活きてきます。AIは特定分野の専門家ほどの深い知見は持っていませんが、あらゆる分野において「まあまあ詳しい人」レベルの知識を持っています。IQ120程度と言われるその能力は、多くの実務的な質問に答えられるレベルなんです。
例えば:
- 契約書の基本的な考え方
- マーケティングの基礎知識
- 経理の一般的なルール
- 人事制度の基本
- 業界動向の基礎知識
もちろん、重要な法的判断や専門的な意思決定は、必ず各分野の専門家に相談する必要があります。でも、基礎的な理解を深めたり、専門家に相談する前の下準備をしたりする際に、AIは非常に心強い味方になってくれます。
専門家に相談する際も、ある程度予備知識を持っていれば、より効果的な相談ができますよね。まさにそんな「予習」や「基礎学習」にAIは最適なんです。
4. コストを抑えながら業務の質を向上できる
「うちには予算がない…」という声をよく聞きますが、実はAIツールの多くは、月額数千円程度から利用できます。それも、使ってみて効果がなければすぐに解約することもできます。
僕の経験では、この投資額に対して得られる効果は非常に大きいです。特に、以下のような面でコストパフォーマンスの高さを実感しています:
- 文書作成時間の短縮
- クリエイティブ業務の質の向上
- 情報収集・分析の効率化
このように、小規模企業だからこそ、AIの活用価値は高いと言えます。では次に、具体的にどんな場面でAIを活用できるのか、実例を交えてご紹介していきましょう。
具体的な活用シーンと効果的な使い方

AIを実際のビジネスでどう活用できるのか、具体的な場面ごとに見ていきましょう。それぞれの場面で、私が実践している効果的な使い方もお伝えします。
1. 文書作成での活用
AIの文書作成能力は本当に幅広く、様々な場面で活用できます:
- メールや案内文
- マニュアルや手順書
- 会員向けの案内文章
- キャッチコピー
- ランディングページの文章
- ブログ記事
- プレゼン資料
基本的な使い方は同じです:
- 伝えたいポイントを箇条書きで整理
- AIに文章化してもらう
- 対話を通じてブラッシュアップする
事務的な文書の場合
マニュアルやお知らせなど、事務的な文書は、箇条書きにした要点を伝えれば、かなり使えるものを作ってくれます。
例えば、メール作成では:
- 伝えたいポイントを箇条書きで書き出す
- 「これを丁寧なメールの文面にして」とAIに依頼
- 文面を確認し、必要に応じて微調整
想いを込めた文書の場合
ブログ記事や企画書など、自分の考えや想いを込める必要がある文書は少し違います。
例えば、この記事を書く時も:
- 最初の文章を見て「ここはこう思うんだよね」
- 「この部分はこういう経験があるんだよね」
- 「ここはもっとこういう風に伝えたいな」
という感じで、対話を重ねながら作り上げていきます。
SNS投稿の場合
SNS投稿は特に工夫が必要です。AIが生成した文章は、一見きれいなのですが、どこか不自然さを感じることが多いんです。特に「自分では絶対に使わない言い回し」が出てきてしまう。
そこで僕がやっているのは:
- 参考にしたい人の投稿を3つほど選ぶ
- それをAIに読み込ませて「この文体で書いて」と指示する
- さらに「僕っぽい言葉」に調整してもらう
2. 日常的なアイデア出し
これが実は一番の活用法かもしれません。私の場合:
- テレビを見ていて面白いアイデアを発見したら「これ、うちのビジネスに活用できない?」
- ニュースを見て気になったら「これ、うちに影響ありそう?」
- 分からない用語があれば、すぐに「これってどういう意味?」
という感じで、思いついたことを気軽に相談しています。
特に良いのが、普通の友人に延々と相談したらウザがられそうな事や、人に聞くのをためらってしまう初歩的な質問でも、遠慮なく聞けること。
重要なのは「一問一答」で終わらせないこと。例えば:
- 「これって具体的にどう活用できる?」
- 「その場合の課題は?」
- 「じゃあ、その課題を解決するには?」
3. 情報収集と分析での活用
基礎情報の整理
特定のテーマについて調べる時は:
- まず基本的な質問から始める
- 分からない用語があればすぐに確認
- 理解したことを要約して確認
- さらに詳しく知りたい部分を掘り下げる
という段階的なアプローチが効果的です。
アイデアの発展
- 競合分析:「この商品の強みと弱みを分析して」
- 差別化:「類似サービスと比べた特徴は?」
- 改善案:「もっと良くするためのアイデアは?」
まとめ:重要なポイント
- AIとの対話を通じて良いものを作り上げていく
- 最初は基本的な案から始まりますが
- 対話を重ねることで
- より良いアイデアが生まれ
- より深い内容に発展していきます
- 思いついたらすぐに相談(タイミングを逃さない)
- 一問一答で終わらせず、対話を深める
- 具体的に指示を出す(箇条書きが有効)
- 必ず人間が最終確認を行う
このように使うことで、AIは単なる文章作成ツールではなく、本当の意味での「参謀」として機能してくれます。一緒に考え、アイデアを発展させ、より良いものを作り上げていく。それがAIとの効果的な付き合い方だと思います。
小規模企業でも無理なく始められる!おすすめAIツール

ここまで、小規模企業がAIを活用するメリットと具体的な使い方についてお伝えしてきました。次に、実際に僕が利用している、またはおすすめしたいAIツールをいくつかご紹介します。導入のハードルが低いものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください!
現在、AIツールは急速に進化しており、多種多様な選択肢が登場しています。ChatGPT、Claude、Geminiといった生成AIだけでも、できることや特徴に微妙な違いがあります。それぞれのツールを理解し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
1. ChatGPT
公式URL:https://openai.com/chatgpt
用途:文書作成、アイデア出し、情報収集など
おすすめポイント:
- 汎用性が高く、幅広いタスクに対応可能
- 無料プランから始められる
- プロフェッショナル向けの有料プランもあり
2. Claude
公式URL:https://www.anthropic.com/claude
用途:テキスト生成、リサーチ
おすすめポイント:
- 長文の処理が得意
- シンプルなUIで初心者にも使いやすい
- 画像生成機能はないが、テキストに特化している
3. Gemini
公式URL:https://gemini.google.com/
用途:文章生成、検索エンジンとの連携
おすすめポイント:
- Googleが提供する生成AI
- 検索エンジンとの強力な連携が特徴
- 最新のアルゴリズムによる高品質な生成結果
4. Midjourney
公式URL:https://www.midjourney.com
用途:画像生成、ビジュアル制作
おすすめポイント:
- 高品質な画像を簡単に生成可能
- プロンプトを入力するだけでプロレベルのビジュアルが作れる
- プレゼンやSNS投稿用の素材作りに最適
5. Perplexity
公式URL:https://www.perplexity.ai
用途:情報収集、リサーチ
おすすめポイント:
- シンプルな使い勝手で、質問に応じて素早く関連情報を提供
- インターネット検索の補助ツールとしても活用可能
- 最新情報や幅広いテーマの調査に役立つ
6. Notion
公式URL:https://www.notion.so
用途:ドキュメント管理、タスク管理、チームコラボレーション
おすすめポイント:
- 文書作成やタスク管理に加えて、AI機能を活用してデータ整理や情報収集が可能
- チーム内でのコラボレーションをスムーズに進められる
- カスタマイズ性が高く、小規模企業に適した柔軟な使い方ができる
AIツールを選ぶ際の考え方
現在、AIツールは急速に進化しており、多種多様な選択肢が登場しています。ChatGPT、Claude、Geminiといった生成AIだけでも、できることや特徴に微妙な違いがあります。それぞれのツールを理解し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
1. 以前の印象で止まっていませんか?
「AIって結局使えないよね」と感じた経験がある方もいるかもしれません。1年前の生成AIと比べると、現在のAIは驚くほど進化しています。例えば、文章の自然さや理解力、対応できるタスクの幅が大きく向上しており、「これなら使えそう」と思えるレベルになっています。
試して「微妙だな」と感じた方も、しばらくしたら使える物になってたりします。新しいバージョンでは、あなたの期待を超える成果が得られるかもしれません。
2. ツールごとの特徴を理解する
生成AIにはそれぞれ得意分野があります:
- ChatGPT: 汎用性が高く、文章生成からアイデア出し、リサーチまで幅広く対応可能。
- Claude: ChatGPTに似た使い勝手で、テキスト生成に特化。画像生成機能はないが、長文の処理が得意。
- Gemini: Googleが提供する最新の生成AIで、検索エンジンとの連携が強み。
これらのツールは基本的に同じようなことができますが、細かい特徴や出力される文章の「雰囲気」に違いがあるため、実際に使ってみることで、自分に合うものを見つけることが大切です。
3. 「好み」も重要な判断基準
実際に使ってみると、「このツールは自分にしっくりくる」「このUIが直感的で使いやすい」といった好みが重要になります。同じ質問を複数のツールに投げかけて比較するのもおすすめです。
4. バージョンアップで状況が変わる
AIツールはバージョンアップのたびに性能や特徴が変わります。一度試して合わないと感じたツールでも、数ヶ月後には改善されている可能性が高いです。定期的に新しいツールや機能をチェックし、状況に応じてアップデートする姿勢が重要です。
5. 自分の業務に最適な組み合わせを見つける
生成AI以外にも、画像生成に特化したMidjourneyやリサーチに便利なPerplexityなど、多様なツールがあります。それぞれの強みを組み合わせて使うことで、効率化の幅がさらに広がります。
AIツール活用の一歩を踏み出そう
AIツールは、小規模企業や個人事業主にとって、業務効率を飛躍的に向上させる可能性を秘めた強力な「相棒」です。特に、限られたリソースの中で複数の業務をこなさなければならない場面では、AIのサポートが大きな力となります。
1年前にAIを試して「思ったより役に立たない」と感じた方も、ぜひ今一度触れてみてください。この1年でAIは大きく進化し、実用性が飛躍的に向上しています。文章作成、アイデア出し、情報収集から、ビジュアル制作やタスク管理まで、業務を支える多様なツールが揃っています。
また、ツール選びでは「好み」も大切な判断基準です。出力される文章の雰囲気や操作性はツールごとに違いがあるため、いくつか試して自分に合うものを見つけましょう。最終的には、ツールを「補佐役」として活用しながら、自分の判断と創造力を加えていくことで、より大きな成果が得られるはずです。
Room8では、AI活用に特化したコミュニティ「Room8 AI LAB」を運営しています。AIに興味を持つ方や具体的な活用方法を学びたい方が集い、知識を共有する場です。詳細は公式ページ(Room8 AI LAB)をご覧ください。
まずは気になるツールを試し、小さなタスクからAI活用を始めてみてください。一歩踏み出すことで、新たな可能性が広がるはずです。