こんにちは、春日井コワーキングスペースRoom8オーナーの鶴田です!
前回の記事では、ブランドアーキタイプの基本的な考え方についてお話しさせていただきました。その中で、Room8は「賢者」のアーキタイプだとお伝えしましたが、「他のアーキタイプはどんな特徴があるの?」「うちの会社にはどれが合うの?」といった質問をたくさんいただきました。
実は、ブランドアーキタイプを知った時の僕も同じ疑問を持ちました。「賢者」に決めるまでに、他のアーキタイプとじっくり比較検討したんです。その過程で気づいたのは、アーキタイプの選択は、ただの「当てはめ」ではないということ。
それぞれのアーキタイプには:
- 独自の強みと特徴
- 得意なコミュニケーション方法
- 向いている業種やサービス があり、これらを理解することで、より戦略的なブランディングが可能になります。
今回は、12のブランドアーキタイプそれぞれについて、具体的な企業例を交えながら詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたのブランドにぴったりのアーキタイプが必ず見つかるはずです。
12のブランドアーキタイプ概要
ブランドアーキタイプは、大きく4つのグループに分類することができます。それぞれのグループには、人間の基本的な欲求や動機が反映されています。
1. 安定を提供するグループ
このグループは、ケアと安心を提供することを重視します。
- 世話人(ケアギバー)
- 思いやりと保護を提供する存在
- 例:保険会社、医療機関、育児用品ブランド
- 統治者(ルーラー)
- リーダーシップと秩序を象徴する存在
- 例:高級ブランド、金融機関
- クリエイター
- 新しい価値を生み出す存在
- 例:デザイン会社、文具メーカー
2. 所属を提供するグループ
このグループは、つながりと帰属意識を重視します。
- 普通の人(エブリマン)
- 親しみやすく、等身大の存在
- 例:カジュアルウェア、日用品ブランド
- 道化師(ジェスター)
- 楽しさと遊び心を提供する存在
- 例:エンターテインメント企業、お菓子メーカー
- 恋人(ラバー)
- 情熱と魅力を象徴する存在
- 例:ジュエリーブランド、化粧品メーカー
3. マスタリーを提供するグループ
このグループは、達成と成長を重視します。
- 英雄(ヒーロー)
- 困難に立ち向かい、勝利を目指す存在
- 例:スポーツブランド、達成を支援するサービス
- はみ出し者(アウトロー)
- 既存の価値観に挑戦する存在
- 例:バイクメーカー、個性的なファッションブランド
- 魔法使い(メイジシャン)
- 変容と可能性を象徴する存在
- 例:テクノロジー企業、コンサルティング会社
4. 独立を提供するグループ
このグループは、自由と探求を重視します。
- 冒険者(エクスプローラー)
- 新しい体験と発見を追求する存在
- 例:アウトドアブランド、旅行関連サービス
- 賢者(セージ)
- 知恵と真理を追求する存在
- 例:教育機関、メディア企業
- 無邪気(イノセント)
- 純粋さと理想を象徴する存在
- 例:オーガニック食品、環境配慮型ブランド
前回お話しした通り、私たちRoom8は「賢者」のアーキタイプを選択しました。しかし、これは単純に「教育的なサービスを提供しているから」という理由だけではありません。
各アーキタイプには、それぞれ独自の:
- コミュニケーションスタイル
- 価値提供の方法
- ブランド体験の特徴
があります。
次のセクションでは、それぞれのアーキタイプについて、より詳しく解説していきます。具体的な企業例も交えながら、実践的な活用方法までご紹介していきましょう。
ブランドアーキタイプの特徴と代表例

安定を提供するタイプ
世話人(ケアギバー)
思いやりと保護を提供する存在です。顧客の安全や幸せを第一に考え、親身になってサポートするブランドに適しています。
→ 代表例:VOLVO(安全性重視の自動車)、Johnson & Johnson(ベビーケア製品)
統治者(ルーラー)
権威と高品質を象徴する存在です。業界のリーダーとしての地位を確立し、高級志向の顧客層に支持されるブランドに適しています。
→ 代表例:Mercedes-Benz(高級車)、Rolex(高級時計)
クリエイター
革新性と創造力を体現する存在です。新しい価値を生み出し、創造性を重視する顧客に支持されるブランドに適しています。
→ 代表例:LEGO(創造的な玩具)、Adobe(クリエイティブツール)
所属を提供するタイプ
普通の人(エブリマン)
親しみやすさと共感を提供する存在です。等身大の価値観を持ち、多くの人々に受け入れられやすいブランドに適しています。
→ 代表例:MUJI(シンプルな生活用品)、UNIQLO(カジュアルウェア)
道化師(ジェスター)
楽しさと遊び心を提供する存在です。型にはまらない自由な発想で、エンターテインメント性を重視するブランドに適しています。
→ 代表例:Nintendo(ゲーム)、Pepsi(飲料)
恋人(ラバー)
美と魅力を象徴する存在です。感性や感動を重視し、情緒的な価値を提供するブランドに適しています。
→ 代表例:GODIVA(高級チョコレート)、SK-II(化粧品)
マスタリーを提供するタイプ
英雄(ヒーロー)
挑戦と克服を象徴する存在です。困難に立ち向かう勇気と勝利を重視するブランドに適しています。
→ 代表例:Nike(スポーツ用品)、Red Bull(エネルギードリンク)
はみ出し者(アウトロー)
既存の価値観に挑戦する反骨精神を持つ存在です。独自の世界観を持ち、従来の常識に縛られないブランドに適しています。
→ 代表例:Harley-Davidson(バイク)、初期のApple(パソコン)
魔法使い(メイジシャン)
変革と可能性を象徴する存在です。革新的な技術やサービスで、人々の生活を変えるブランドに適しています。
→ 代表例:Disney(エンターテインメント)、Tesla(電気自動車)
独立を提供するタイプ
冒険者(エクスプローラー)
新しい体験と発見を追求する存在です。冒険心を刺激し、未知の領域に挑戦するブランドに適しています。
→ 代表例:The North Face(アウトドア用品)、GoPro(アクションカメラ)
賢者(セージ)
知恵と洞察を提供する存在です。真理の探究と知識の共有を重視し、学びと成長を支援するブランドに適しています。
→ 代表例:Google(検索エンジン)、TED(教育プラットフォーム)
無邪気(イノセント)
純粋さと理想を象徴する存在です。シンプルさと正直さを重視し、本質的な価値を提供するブランドに適しています。
→ 代表例:Whole Foods(オーガニック食品)、innocent drinks(自然飲料)
まとめ:ブランドアーキタイプを活用しよう
今回は12のブランドアーキタイプについて、4つのグループに分けて解説してきました。
重要なポイント
- ブランドアーキタイプは「提供価値」によって4つのグループに分類される
- 各アーキタイプには明確な特徴と役割がある
- 世界的な企業も、これらのアーキタイプを意識的に活用している
- 一つのアーキタイプに固執する必要はなく、自社に最適なものを選ぶことが大切
アーキタイプ選びのヒント
実は、これらのアーキタイプは「正解」を探すものではありません。大切なのは:
- 自社の強みや価値観との整合性
- ターゲット顧客のニーズとの適合性
- 長期的に維持できる一貫性
次回予告:「自社に最適なブランドアーキタイプの見つけ方」
次回は、これらのアーキタイプの中から自社に最適なものを選ぶ具体的な方法をご紹介します。
- 自社の強みを活かせるアーキタイプの見つけ方
- 業界や規模に応じた選び方
- 実際の活用ステップ
- よくある失敗とその対策
などを、具体的な事例を交えながら解説していきます。
このシリーズを通じて、皆さまのブランディングがより戦略的で効果的なものになることを願っています。次回もお楽しみに!